
7/4 独立記念日の3連休、人によっては4連休でした。バーベキューしたり、ビーチに出かけたり思い切り遊んだ後、今週はみんな疲れて仕事もスロー。その上熱波が来ていてグッタリ・・・
こういう暑い日は美味しいご飯を食べて元気を出すのは万国共通!というわけで今日はNYから食べ物の話題「食のエジュテインメント」です。
先日こんなイベントがありました。
ニューヨークのジャパンソサエティという日本文化の発信拠点で開催されたトークショー。
タイトルはChef’s Choice「ニューヨークのセレブシェフが語る、日本食の影響」
ゲストで登場した二人のセレブシェフがすごい!
まずマーカス・サミュエルソン、テレビやイベントに 登場しまくっている、
飛ぶ鳥を落とす勢いのセレブシェフ。
そしてもう一人のマイケル・アンソニーは、「グラマシー・タバーン」という
ニューヨークで最も革新的でステータスが高いレストランのシェフ。
アメリカのレストラン業界で最も影響力のある二人ですが、
主役は別にいました。二人が囲んだ日本人女性です。
川野作織(さおり)さん、
彼女はシェフではありません。日本の包丁を販売する会社の社長さんです。
この日本の包丁が今大注目を浴びています。

例えば業界紙や食専門のウェブサイトで、
有名シェフが使うお気に入りのナイフは? という記事があると、
その8割以上は日本製の「包丁」です。
実はこれはすごいこと! というのも、
つい最近まで、有名レストランのキッチンでは
フランスやドイツ製ナイフだけしか、使われていませんでした。
家庭ではまだまだアメリカ製が主流。
大きなお肉の塊を着るには、重くて丈夫な西洋の包丁が適しているからです。
でもそれも変わるかもしれません。
その仕掛け人が、川野作織さんです。
作織さんは1978年にアメリカに渡り、82年に「KORIN」という会社を創業、
日本の包丁を、日本人経営のお寿司屋さんやレストランにおろす仕事を始めました。
最初は小さなビジネスだったのが、90年代にスシブームが始まり、
お寿司屋さんが増えて、包丁も売れるようになりました。
太くて重い西洋の包丁では、繊細なスシネタを薄く切ることはできないから。
でも作織さんがすごかったのは、営業先を日本食以外のアメリカのレストランにも向けたこと。
でも当時のアメリカ人シェフは日本の包丁について何も知らない、
西洋の包丁とは大きく違うから使いこなせない、その結果「売れない」。
そこで作織さんは、
日本の包丁の使い方や手入れの仕方をレストランに出張して教えることにしました。
おかげでもともと日本食に強い興味を持っていたセレブシェフたちが、
日本の包丁の虜になったのです。

シェフのマイケル・アンソニーは、様々な日本の包丁を使いこなすことで、
もっと正確にデリケートに食材を切れるようになったと語っています。
つまり日本の包丁が彼らの食のクリエイティビティを広げているんです。
同時進行で、日本の食材やテクニックも西洋の料理にどんどん取り込まれています。
そして、こうしたセレブシェフの影響で、アメリカでは一般人の間でもお料理ブーム。
家庭でお寿司を作ってみたいという人もいて、
本格的な日本の包丁に興味を持つ人も増えています。
まさに日本の包丁がアメリカの食を変える、触媒のようになっています。
そして、さらに日本の食を広めるために作織さんはセレブシェフたちと組んで、
色々な取り組みをしています。
その一つがThe Gohan Societyという非営利団体。
日本食に興味があってもなかなかその本場まで行く機会のない若いシェフを、交換留学の形で日本に送るという初めての試みで、日米の食の交流に大きく貢献しています。その活動にマイケル・アンソニーらセレブシェフがこぞって協力しています。
もう一つは作織さんが最近出版した本「Chef’s Choice」
22人のシェフら食のプロ達が、自分たちが日本食からどれほど影響を受けているのかを、料理や食材、ツールなどを例にとって語っています。英語の本ですが日本のアマゾンでも買えるようなので、興味のある方はぜひ。
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