アメリカは今週も激動の1週間でした。またも銃の事件が起きた一方で、先週取り上げたPokemon GOも 引き続き大ヒット中、そしてたった今はクリーブランドで開催中の共和党大会で一色。
これがもう前代未聞のツッコミどころ満載で面白すぎる! 今日はそれをレポートします。
ここで復習すると、共和党大会というのは、共和党の大統領候補を正式に指名するイベントです。
党の重鎮や候補者の家族が登場し、党としての施策や候補者の人となりを語り、
4日間が終わる頃には、党として 選挙戦を戦う準備がしっかり整い、国民も候補者がある程度理解出来る・・・はずなんですが、ものすごく錯綜しています。
まず異端児トランプ候補というのが最大の理由で、共和党の重要人物、二人の前大統領含めたブッシュファミリーなどは異例の欠席。
でスピーチで登場する政治家たちは、民主党ヒラリー・クリントンの悪口ばかり。
3日目の今日は大物、元対抗馬のテッド・クルーズが登場したものの、トランプを支持しないスタンスを打ち出したためにブーイングになるなど、前代未聞の事態になっています。
しかし何と言っても今日の時点で、今年の共和党大会の伝説になりそうなのは、初日に起こったトランプ夫人のスピーチ盗作事件。スピーチの一部がオバマ夫人が8年前の党大会で話した内容と、そっくりということで大騒ぎになりました。
どのくらい似ているかというと、小学生が見てもわかる。明らかにコピペに見える。
左がミシェル夫人、右がメラニア・トランプ夫人のスピーチ。ハイライト部分を比べてみてください。
そもそもメラニア夫人のスピーチはとても良かったので、この疑惑が持ち上がった時は、残念というか、対抗勢力からは「やっぱりね」というちょっとバカにして上から目線で見るような雰囲気もありました。だいたいこういう場のスピーチは、スピーチライターが書くか、本人が書いたものをスピーチライターが直したりチェックするのが当たり前。だから「スピーチライターがコピペしたんだじゃない?」「間抜けだよね」という噂が飛び交いました。一方で言葉をチェックしていなかったトランプ陣営の甘さも印象付けられてしまいました。
ところがそんな中トランプ側は 「偶然だよ。こんなの普通の言葉、誰でも使うでしょう、」と頑なに全面否定。ジャーナリストと押し問答になる場面も。
そして3日目になってようやく、スピーチライターがお詫びの声明を発表しました。「トランプ夫人が、こんな感じの話をしたい、とミシェル夫人のスピーチを例に出して言ってきたので、それをメモしてそのまま使ってしまったんですごめんなさい。」
ホンマかいな? ですが、認めて誤ったことでこの事件は一件落着。
ところがトランプ氏はこのスピーチライターに対して「うっかりミスだね、誰にでもミスはあるから仕方ない」と何だか急に優しいいい人になっているんです。
これまでトランプ候補が見せたことのないソフトな一面とメディアも驚きました。トランプ候補はこれまで女性の支持がとても低かったのですが、この事件が女性にアピールするソフトなイメージ作りに思わぬ貢献をするかもしれません。
そして 、もう一つ紹介しておきたいのがクイーン事件
彼らがトランプ登場シーンに使っている楽曲、アメリカ人なら誰でも知っているクイーンの大ヒット曲「WE ARE THE CHAMPIONS」なんですが、
クイーンからは「この曲を使ってほしくない」とクレームが来ています。
これを共和党大会で使うのは党のポリシーに反しています。なぜなら、
まず共和党は保守派ですから、移民に反対、銃規制反対、妊娠中絶にも反対、そしてLGBTゲイの権利拡大にも反対。
でもクイーンのこの曲を書いて歌った、故フレディー・マーキュリーは、音楽ファンなら誰でも知っている、ゲイです。トランプさんは知らなかったんでしょうね。そう、誰にでもミスはある!
ツッコミどころ満載の共和党大会、さて明日の最終日はいよいよ、トランプ候補自身が候補指名を受けてのスピーチが行なわれます。明日も一体何が起こるのか目が離せません!
オマケ:We Are The Champions / Queen
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