Super Mario stole the show スーパーマリオに持っていかれた!
閉会式に突然登場したスーパーマリオの安倍首相はアメリカでも「面白い!」とかなりウケました。
特にアメリカではアニメやゲームとスポーツが同列に並ぶことはまずありません、
スポーツマンガみたいなものもないしね。しかも首相が主役とは、 意外すぎて虚をつかれた感じ。
おかげで次のオリンピックは「スーパーマリオリンピック」なんて言う人もいるくらい。
とにかく次の東京は国をあげて、これまで見たことのないような、ロボットだらけのすごいハイテクオリンピックをやってくれそう!と多くの人が期待したのと同時に・・・
日本ってやっぱり変な国、と思った人も少なからずいたことも、皆さん覚えておいてくださいね。
「ところでアメリカはメダルを121個も取るんだから、相当盛り上がるんでしょうね?」
とよく聞かれるんですがこれがなかなか答えるのが難しい。
盛り上がってないわけではないのですが、少なくとも、日本のように国民が一体となって応援する雰囲気はありません。多様な人が住む国だから仕方ないのですが(そもそもアメリカが国をあげて盛り上がるのは大統領選くらいかも)
それにしてもスポーツ大国で世界一メダルを取る国なのになあと感じることもしばしば。

日本だと「もうすぐオリンピック!」とみんなで楽しみにするけれど、
アメリカ人の多くは始まってから気づく。
フェルプスが最初の金を取った!というニュースが出たあたりから、
「あーやってたんだ」という感じの人も多いんです。
メダルを100個とったあたりには かなり盛り上がってはいますが、
「取って当たり前」みたいになってもいるから、ワクワク感が少ない事も事実。
さらに大きいのは、普段馴染みのあるスポーツが意外と少ないこと。
アメリカ人が圧倒的に燃えるスポーツはフットボール(アメフト)、バスケ、野球、アイスホッケー、
この4大スポーツのうちサマーオリンピックに入っているのはバスケだけ。
そのバスケも勝って当たり前なので、あまり燃えません。
逆に水泳はアメリカ人にとっては特別なもの。
例えば、日本の小学校には必ずあるプールや水泳の授業がある学校もとても少ない。
おかげでアメリカ人の半分は泳げない。
同じように 陸上競技の基礎、日本人なら必ずやる運動会のかけっこや、
体操競技の基本、 跳び箱やマットなどもやったことがないアメリカ人がほとんど。
でも水泳や陸上でアメリカがメダルをかっさらうため、
ゴールデンタイムのテレビ中継のほとんどを占めています。
それを見て、フェルプスの23個目の金メダルに驚愕し、
陸上で転んだライバル選手どうしが助け合ってゴールするシーンに感動、
ゴールドに輝いた人種混合の体操チームに未来のアメリカを感じ、
かと思えば、アメリカの黒人女性として初めて水泳で金をとったシモーヌ・マニュエルに拍手喝采を贈り、
難民チームの、多くの逆境にもめげず戦うアスリートたちに胸を熱くして、
終わる頃には、オリンピック最高!アメリカ最高!という気持ちになるのですが・・
次のオリンピックまで4年もあるので、その間に忘れてしまうんです・・・!!
他にいろいろありますからね・・・今週末から全米オープンテニス、間もなくフットボールシーズンもスタート、メジャーのプレイオフがやってきて、それがバスケとアイスホッケーが始まり、春になればまたメジャーリーグがゴルフが・・・とひっきりなしに続いていきます。
ではどうすれば、アメリカ人のオリンピックへの関心が高まるのか?
アメリカでは、次の東京に向けて、普段からオリンピック・アスリートをもっと盛り上げるイベントや番組を放送しましょう、とか、もっと様々な競技、卓球や射撃なんかも盛り上げよう!なんて声も上がっています。
その追い風になりそうなのはやはりネット。
すでにミレニアルズの若者は、テレビのゴールデンタイムの放送は無視(この年齢層でのテレビ視聴率はロンドンに比べて2割も減少!)ネットのストリーミングで、自分が見たい競技だけを見ている。
むしろその方が多様な競技を見るチャンスも増えて、
アメリカでのオリンピックはもっと盛り上がっていくのではないかと思います。
そこにハイテク・クールな「東京スーパーマリオリンピック」ですよ!
特にミレニアルズの若者たちはハイテクもクールなポップカルチャーも大好きですから。マッチアップはとてもいい。
これから4年の間、忘れられないように、日本発の情報発信も盛り上げていけばいいと思います。
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