(10-13-16 JFNのラジオ番組 Day By Dayへのレポート内容に、詳細を追加して再構成しています。)
日曜日にあった2回目の候補者討論会は、この前のポストに書いたように前回に増して凄まじい泥仕合となりましたが、実は意外な視聴者層がこれにハマりまくっているという情報が。
それは・・・市内の小学生。8歳とか9歳の子供たち。これを見ていないと次の日話についていけないんだそうで、お母さんの話では、ヒラリーとトランプの戦いをほとんどプロレス感覚で見ているそうです。

大人は子供のように面白がってばかりもいられないのが辛いところ。
ともあれトランプ陣営は、先週末に浮上したセックステープ以降、坂を転げ落ちるような状況。
その結果、この選挙はヒラリー勝利と予測するメディアや専門家が今日になって出てきています。
そうなったら・・・ついにアメリカ史上初の女性大統領誕生です!
でも、ヒラリー陣営喜ぶのはまだ早い、という声も。というのも、以前からお伝えしている浮動票、特にミレニアル世代の若者の動きがやっぱり掴みきれていないから。
とにかく刻々と変わってアメリカ人も追いきれていない大統領選の現状
マスメディアやソーシャルメディアを見ながらレポートします。
先週金曜日に突然流出した11年前のテレビ番組の楽屋裏の音声 。
トランプ氏は「俺は有名人だから、いきなり女にキスしても股間をつかんでも許される」と発言。
これまでもめちゃくちゃな発言を繰り返してきましたが、
今回のは「性的暴力」つまり、本当にやっていたら「犯罪」。これまでの全てをひっくり返すほどのショックが走りました。
さらにトランプ氏、討論会では「実際にはやっていない」と言ってたのに、
今夜ニューヨークタイムス電子版で、2人の女性が「トランプから無理やり体を触られた、キスされた」というニュースがスクープされて大騒ぎになっています。
すでに女性を中心としたトランプ離れは進みつつあり、
現在ニューヨークタイムスはヒラリーが当選する確率89%としています。
さらに前回の結果を見事に当てた専門家らも、ヒラリー勝利を予測しています。
反対にトランプ陣営は総崩れと多くのメディアが伝えています。
一方共和党内も混乱しています。共和党の重鎮が次々にトランプ支持を撤回、ところがこれに対しトランプ氏は、「共和党が支持してくれないなら、自分も共和党を支持しない」と、独立宣言みたいなことを言ってしまったために上を下への大さわぎになっています、というのも、同じ日に投票が行われる上下院議員選挙へも大きな影響を与えかねないからです。
対するヒラリー候補もまだまだ不安は残っています。
毎回必ず話題に上がる、激戦州での、特に浮動票の行方です。
今回はフロリダ、オハイオ、そしてノース・カロライナ州あたり。そして最も読めない浮動票は今回もミレニアル世代、18歳〜34歳の若者です。
アメリカの有権者の3分の1を占める彼らは、オバマ大統領を2回当選させる牽引力になりましたが、今回彼らの多くはヒラリーと戦って敗れたバーニー・サンダースを支持していました。
そしてバーニー敗北後、彼らの4人に一人はヒラリーでもトランプでもない第3、第4政党の候補者の支持に回ったと見られています。
しかし2回目の討論会が彼らにとってどれほど説得力があったかにも疑問の声が上がっています。
というのも、今回も彼らの関心事である大学の無償化やスチューデント・ローンの救済といったトピックは語られませんでした。
かえって二人の泥仕合に嫌気がさし、ますます投票に行かなくなる人が増えるのではないかという憶測もあります。
しかしこうした調査も、対象の人種などによってまちまちで、
ますます多様化する若い世代の実態は誰も掴みきれていないというのが現状のようです。
ともあれ多くの票が他の候補者に流れたり、投票に行かない人が増えると、激戦区での戦いはトランプ有利になります。
ちなみに2008年の激戦区ノースカロライナ州では、オバマ大統領はわずか1万4千票の差で勝利、つまり一 地区につきたった2票余りの差が勝敗を分けたのだと、ミシェル・オバマ夫人がヒラリー支持者の集会で語っていました。1票は本当に重いということを、なんとか若者にわかってもらいたいということなんですね。
さあ最後の討論会は1週間後の19日水曜日ですが・・・実はもう投票も始まっています。期日前投票というもので、今年アメリカ人の3人に一人は期日前投票する見込みです。オバマ大統領ももう投票したそうです。つまり、今の状況がすぐさま投票に反映されるということです。さあ一体どうなるのでしょうか?
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