(JFNのラジオ番組Day Bay Dayでレポートした内容を再構成しています)
ニューヨークのメディアでは毎日のようにトランプ新政権の組閣や票数え直しのニュースが・・・そんな中でもクリスマスは一歩一歩近づいてきています。
今日11月30日、ニューヨークのクリスマスを代表するロックフェラーセンターのクリスマスツリーが点灯しました。
実はこのツリーには幾つかの知られざるエピソードがあります。
ロックフェラー・センターはマンハッタンの中心部にある高層オフィスビル群です。
ここに最初のクリスマスツリーが建てられたのは世界大恐慌の直後の1931年、
まだ建築現場だったこの場所に、作業員たちが高さ6メートルのツリーを立てて祝ったのが最初といわれ、
明るい未来を祈る希望のツリーとして言い伝えられています。
今では毎年ロックフェラー・センターの専属スタッフが、毎年のツリーを選んで立てているわけですが、
この高さで形のいいツリーはそう簡単には見つかりません。
スタッフがほとんど1年前からヘリコプターでニューヨーク近郊を飛び回り、
「これ!」という木が見つかったら、その持ち主に交渉します。
そしてツリーは持ち主から無償で寄付、
つまりニューヨークの街のクリスマスのためにプレゼントされるんです。
今年のツリーの持ち主は、ニューヨーク州の郊外オネオンタという町に住むエイクラーさん夫妻。
エイクラーさんの家の裏庭に立っていたツリーを切り倒し、
1日半かけてトラックでロックフェラーセンターに運び、
約2週間かけて枝を払ったりして形を整え、5万個の電球で飾り付け。
ちなみに電気は専用ソーラーパネルで発電されています。
点灯式当日には エイクラーさん夫妻も招待され、
セレブによるクリスマスソングの前座があって、いよいよツリーが点灯します。
あいにくの雨にもかかわらず集まったたくさんの人が一緒にカウントダウン!!
そして明かりがともると、
高層ビルにも負けない荘厳で凛とした佇まいに圧倒されます。
遠くから見ると宝石のようでもあり、まさに街へのクリスマス・プレゼント・・・と実感します。
このツリーはホリデーシーズンを通して1月7日まで点灯され、
これを見に世界中から人が集まるわけですが、実はツリーのストーリーはまだ終わリません。
1月、役目を終えたツリーはリサイクルされます。材木になり建材として使われているんです。
しかも、Habitat for Humanityという、
恵まれない人たちのために、全米で家を建てて回るチャリティー団体に寄付されています。
ロックフェラーセンターのツリーでできた家が今年も一つ建てられ、
そこに住む家族が暖かいクリスマスを迎えることができるんです。。
キリストの誕生日であるクリスマスのスピリットは「Giving」=与える喜び。
ロックフェラー・ツリーはそんなメッセージを世界に向かって静かに発信しています。
いいお話でしょう? これを子供達に話して聞かせるのがニューヨークのこの時期の伝統だったりします。
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