(JFN Day By Dayでレポートした内容に加筆・再構成しています)
ラストミニット・ショッピング・・・クリスマスプレゼントの買い物最後の追い込みのこと。デパートも深夜2時まで営業中というところもあります。と言いつつ 気温は摂氏3度、でもこの時期のニューヨーク、ロックフェラーのツリーやらデパートのショー・ウィンドーやらオフィスビルやらのデコレーションでどこもキラキラ、寒さも吹っ飛びます。
クリスマスイブの夜といえば・・・アメリカでは家族でご飯を食べて、特に子供達はサンタさんがいつ来てもいいように、靴下を吊るしたり準備万端整えて、そして忘れてはいけないのが「ミルクとクッキー」
一晩中忙しいサンタさんがお腹が減らないように置いておきます。朝になるとクッキーとミルクがなくなって、ツリーの下にはプレゼントが!そのプレゼントを家族みんなで開けるのがクリスマスの朝の楽しみ。
・・・とはいえ誰もがプレゼントを買ったりもらえたりするわけではありません。
そんな人たちのために、この時期に一生懸命チャリティをやるアメリカ人も少なくありません。
何度も言っているように、クリスマスのスピリットは「GIVE」ですから。今日はそんな、この時期のチャリティの話をします。
アメリカはチャリティ大国、1年間に集まる寄付金は年々増え続け、去年はおよそ40兆円、これは日本の100倍以上とも言われています。そして、その7割は「個人から」の寄付、平均すると、アメリカ人は年収の3%を寄付していることになるそうです。そして、その4分の1から3分の1がこのシーズンに寄付されます。
アメリカは寄付の多くは税控除の対象になるので、年の終わりに駆け込みでというものありますが、やはりクリスマスだからです。
この時期チャリティー団体もいろいろな工夫を凝らして寄付を募っています。
寄付する方も楽しく、気持ち良く寄付できる、与える喜びを分かち合うクリスマスというホリデーにふさわしいプロジェクトがたくさん用意されているんです。
昔からあるけど一番目立っているのは、世界的なチャリティー団体Salvation Armyの赤いおナベ
マンハッタンのあらゆる街角に、寒い中ボランティアが赤いお鍋を置いて寄付を集めている、この季節の風物詩です。クリスマスソングをかけて、歌ったり踊ったりしながら寄付を集めている人も多い。思わず楽しくなってお金を入れてしまうことも。
クリスマスのイルミネーションもチャリティーのメッセージを出しています。
5番街の交差点の上に浮かんでいる雪の結晶の形のイルミネーション。
これはユニセフの雪の結晶・・・ただ美しくきらめいているだけではありません。苦しんでいる世界中の子供達のことを忘れませんという誓いの光でもあるんです。
オフィスではこんなカジュアルなチャリティをやっています。ロビーのクリスマスツリーの下にはプレゼントの箱がいくつも置かれている。これは「トイドライブ」と言って、恵まれない子供達のためのおもちゃをここで集めているんです。クリスマス前に集められ、チャリティー団体を通じて子供達に送られます。写真はクリスマスの3日前の写真ですが、おもちゃがこんなに集まっていました。子供がいない人でも子供の気持ちに戻って。もらう子の笑顔を想像しながらおもちゃショッピング。クリスマス前の忙しいひと時の豊かな時間だと思います。
駅や銀行のロビーでは、 あまり着古していないコートを集めてホームレスなど贈る「コートドライブ」をやっています。
またGods Love We Deliverという団体は、重い病気で料理ができない人やお年寄りのために食事を作って、年間を通してデリバリーするチャリティー団体。この時期はホリデーのご馳走をデリバリーするために、たくさんの寄付とボランティアが集まってきます。実はこの団体が出しているチャリティー料理本もクリスマスプレゼントにとても人気があります。
普通のお店も、売り上げの一部をチャリティーに寄付するところが少なくありません。
特にミレニアルズと呼ばれる18−35歳の若者の7割は、チャリティを積極的にやっているお店からプレゼントを買いたいと答えています。
それを一歩進んでやっているのはTargetという大型店。
ここで売られている「キッズパワー」という子供用のウェアラブル・ディバイスは、子供が身につけて運動すればするほどポイントがたまり、そのポイントでユニセフを通じて世界中の恵まれない子供達に食事が贈られます。これはもう子供は運動して健康になるし、人を助ける大切さを教えることもできる、いいことづくめの素晴らしいアイデアだと思います。
これらはほんの一例ですが、寄付することが苦にならない、いいことをしたなと自分も幸せな気持ちになれる、そんな工夫がいっぱいの寄付文化は、日本でも取り入れられる部分があるのではないでしょうか。
一方でこうした工夫を一生懸命するのも、この時期にお金を集めなければ!!いうチャリティー団体の切実な台所事情もあります。アメリカに限らず多様化し格差が開きすぎてしまったこの世界では、国や自治体がどれだけ頑張っても、様々なニーズには追いつくのは容易ではありません。でも一人でも救える命があり、一人でも多くの人を笑顔にできるなら、どんな方法であれ
少しの寄付でもチリも積もれば山となる。そして少しでも何かしたいという気持ちも、積もれば山となる、そう信じてクリスマス、そして新しい年を迎えたいと思います。
Merry Christmas and Happy New Year from NYC!!
アメリカのチャリティーやフィランソロピーに興味がある方は、少し前のコラムですがこちらをぜひご覧ください。
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