8年間のオバマ大統領の任期もあと3日となりました。思えばこの8年間、オバマ大統領について色々なことを考え、しゃべり、書きました。
特に2008年夏、民主党の予備選でオバマ対ヒラリーが激しく戦っていた頃書いたこの短いピースは、自分の名前で少しずつ文章を書き始めたばかりの頃でもあり懐かしいです。
I wrote this piece 8 years ago when Barack Obama and Hillary Clinton was battling for a democratic candidacy.
掲載ページが見つからないので、原稿をそのまま掲載します。
「ミレニアルズ」という言葉がまだなかった頃のミレニアルズは、予備選でオバマ候補に大きな希望を託していました。・・・で実はミレニアルズはポケモン世代だったという話です。どう言う意味なのかはどうぞ読んでみてください。
<オバマとポケモン世代:2008年夏執筆>
今回のアメリカ大統領選には日本人の関心もとても高いみたいですね。でもアメリカ人もかなり熱くなっています。
テレビを見ていると、力強く演説するヒラリーさんの後ろに映っているのは必ず女性たち。そしてオバマさんの後ろには必ず若者です。彼らの多くは大学生。そう、ちょうど私がプロデュースする和楽器アーティストが大学に公演に行くと、目を輝かしながら聞いてくれる彼らも、あんな感じだよなーと思った瞬間、ある事を思い出しました。
私が尊敬するワシントンDCの大学教授が、「第一次ポケモン世代がもうすぐ大学を卒業するのよ。」と言っていたこと。
90年代の半ば、アメリカの子供たちを虜にしてしまったポケモン。ポケモンの洗礼を受けて育った子供たちは、今でもアニメやマンガに親しんでいる子が多いんです。今アメリカはマンガブームが起こっていますが、そのきっかけになったのも彼ら。NYの大手ブックチェーンには英語に翻訳されたマンガがズラリと並び、放課後の高校生が立ち読み。人気のアニメは日本の放送数日後には 手作りの字幕 つきでYOUTUBEにアップされます。(ちなみに今の人気トップ3はナルト、ブリーチ、ワンピースだそう。)どこの高校大学にも日本文化クラブ、マンガ・アニメクラブがあって、ポッキー食べながらみんなで日本のドラマを見たり。決して主流派ではないけれど、逆にとんがった感性を持ったカッコイイ存在が彼らなんです。
たとえばマンガの中で、学校に入るために上履きにはきかえるシーンがあるとする。昔のキッズたちなら「ヘンな習慣」と片付けただろうけれど、今の子たちは、なんか面白いわねーと興味深く受け入れちゃう。
これは前出の教授も言ってましたが、子供の頃から日本のマンガに描かれる生活習慣に自然になじんでいる子は、異文化に対する違和感がずっと少ない。そう、アメリカはNYにでも住んでいない限り、異文化にふれる機会なんて一生ない人が少なくありません。だからどんどん保守的になってしまう。でも自分と違う習慣や考えに少しでもふれる事で、変化も怖くなくなるんです。
だからこそ「変化=CHANGE 」を大きくかかげたオバマ氏は、そんなポケモン世代の若者たちに強く支持されているのかもしれません。
もちろんこうした動きを作った最大の要因はマンガではなく、インターネット。
国境のないネットなら地球上どこまでも行ける、そこで出会ったモノの一つが日本のマンガだったんですね。
でもマンガがアメリカ人の心を少しでも開いているならうれしいじゃありませんか。たとえそうじゃなかったとしても、彼らは確実に日本を好きでいてくれています。「好きこそ平和の目覚めなり」
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