オバマ大統領が議会で孤軍奮闘している時に、自分で自分をいじるジョークをかましたのが面白くて書きました。こう言う余裕をいつかトランプさんも会得してほしいな、なんて思ったりして。
アメリカでは政治家は笑いネタになってナンボです。トランプさんだってジョークのネタにされまくっているおかげで、「めっちゃ面白い〜」と親しみが出て支持層が広がっているんですから、これ絶対間違い無いです! 日本にいるとこの辺の情報が入って来なくてピンとこないかもわかりませんが、トランプさんネタの話題はまた次の機会に。
話が脱線しましたがこちらが記事です。
<オバマ大統領は自虐キャラ? 2014年執筆>
日本ではタモリの「笑っていいとも」が32年目にして終了だそうですね。
アメリカでも長寿番組の司会者交代劇が大きな話題になりました。
「トゥナイト・ショー」は月〜金の夜11時半、セレブが登場するトーク&バラエティ番組で、1954年スタート。アメリカのエンタメ番組としては最長寿です。歴代司会者はタモリと同じコメディアン。先日22年の任期を終え、惜しまれて「卒業」したのがジェイ・レノです。
タイミングよく「ジェイのお笑いネタにされた有名人のトップは?」と言うニュースが出ました。その1位は。。。クリントン元大統領! 22年間のネタ43,892のうち4,607がクリントン・ネタだったそうです。(1割以上です!)
「クリントンが今度出す本は700ページもあるんだって。体だけでなく本まで太っちゃったんだねえ。」 と当時はマクドナルドが大好物、太り気味の大統領をからかうネタ。かと思えば不倫事件が絶えなかった過去をネタに「クリントン元大統領のポーランド訪問の時、抗議団体から卵を投げつけられたんだって。でもクリントンの反応も早かった、卵をあっと言う間に受精させたんだ。」 てな具合。
ちなみに2位以下はブッシュ元大統領、ゴア元副大統領、オバマ大統領、ヒラリー・クリントン元国務長官、チェイニー元副大統領と政治家だらけですが、このように彼の全ジョークをチェックして分析するというありえない調査をしたのがジョージ・メーソン大学のロバート・ライター教授。アメリカではジョークも立派な研究テーマです。
実は「トゥナイト・ショー」を放送しているウィークデーの11時台というのは、4大ネットワーク含め主要チャンネルのほとんどが、30分のニュースに続いてコメディアン司会のトーク&バラエティのフォーマットを組んでいます。深刻なニュースを見た後、「せめて寝る前にはちょっと笑わせてよ〜! というわけ。
こうなるとネタにされる政治家も負けられない。オバマ大統領のスピーチ・ライターはこうした番組のジョーク作家からアドバイスを受けているそうです。何かと叩かれてばかりのオバマさん、去年ホワイトハウスにメディア関係者を集めて行われる毎年恒例のディナー・パーティで開口一番「アドバイザーから “聴衆に高慢なイメージを持たれないように、冒頭で自分で自分をへこますような自虐的なジョークをかますべきだ”と言われてね。だからこう切り返したんだ。“4年半ボコボコにやられて、もうへこむ場所も残ってないよ。”」
オバマ大統領、「自虐キャラ」になっちゃいました。
アメリカ社会の風通しが良いのはこういうジョークのおかげ。今夜も笑って寝かせていただきます1
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これも月刊「美楽」に2014年に書いた原稿で、自分でも結構気に入っているピースです。(すでにこのブログの過去記事としても上がっているのですが、原稿の形で掲載しました。)
Here’s the transcript of his speech including the joke. このジョークを含むオバマ・スピーチの原文