まずお断りしておきたいのは、このポストは大変個人的な意見で、私が寄稿しているどのメディアの立ち位置にも関係ありません。トランプは何をしているのか?ニューヨーカー・日本人移民・有色人種・女性・リベラルの一つの意見として読んでください。
トランプ大統領は何をしているのか? 何をしているのか? 私たちニューヨーカーも毎日必死に考えています。でも今のところ彼は選挙の公約を守っているだけなんです。
その公約というのは、
オバマケアを撤廃する、
メキシコに壁を作る
テロと戦う
妊娠中絶を違法にする、
アメリカ人に職を取り戻す
(他にもあったと思いますが)
何より・・アメリカを強くする!
選挙に勝ったからこれを実行するのはわかるとして、問題はそのやり方! と目くじらを立てている人も多いと思いますが、これも公約通りです。
ワシントンの政治既得権益をひっくり返せ! 今こそ変化の時!
そう、これが最大のスローガンでした。
変化は破壊からしか来ない、というわけですね。
この10日間で見事にワシントンは上へ下への大騒ぎ、
昨日はトランプに歯向かった司法長官代理がクビになったりドラマ満載!
トランプ支持者にとっては次々と公約が実現されていく上に、リアリティーショーのような面白さで最高の気分だと思います。
しかし今回の入国制限など、移民である私たちにとっては恐怖以外の何物でもありません。
ニューヨーカーの多くは彼らが最も愛している「すべての人に開かれた自由の国」が失われていくのを見ながらたまらない気持ちでいます。
でも反撃するにも、一体次に何が来るかを考えなければ、です。
そのために、最低でも後二人登場人物と、彼らが何を考えているのかを知る必要があります。
まずトランプの右腕の参謀、スティーブ・バノン。
国家安全保障会議のメンバーに抜擢されたことで今最も脚光が当たり、ニューヨークタイムスには「バノン大統領」と書かれている。彼はブレイトバート・ニュースという超右寄り、リベラルからはフェイク・ニュース、白人至上主義と叩かれてきたのニュースサイトの(元)オーナー。またケンブリッジ・アナリティカという会社にも関わり、ビッグデータとソーシャルメディアを巧みに操って人心掌握し、トランプサポーターを増やしてきた張本人と言われています。
まだあまり知られていませんが、彼の世界観を過去のスピーチから判断すると、「ISISなどのイスラム教徒によるテロが世界に蔓延し、キリスト教世界が危機に瀕している。反撃しなければやられる。」つまり、キリスト教世界とイスラム世界の戦いを想定しています。
このスローガンに、白人キリスト教徒であるトランプ支持層に向けた、トランプ自身のメッセージを足してみましょう。
「移民や外国人によって職が奪われている。彼らの流入や不公平や貿易をやめなければならない。テロリストの流入を制限すべき。」
移民=どうやらここにはロシアやヨーロッパなどキリスト教社会からの白人の移民は入っていません。
不公平な貿易の相手国=中国、日本、メキシコなどは有色人種の国。
テロリスト=移民・難民の入国を制限する時「イスラム教徒」と区切ってしまうと信教の自由に反してしまうので表立っては言いませんが、事実上イスラム教徒への制限です。そして実際のところほとんどが有色人種。
私の単純な頭で計算しても、どうしても
「白人社会が有色人種の社会と戦う」という答えになってしまいます。
でもそうは言えないので「移民・テロリスト」にすり替えているのだと思います。
実な何故そう考えてしまうかというと、アメリカ、特に海岸部では移民が急増し、逆に元からいるアメリカ人の少子化が進んでいるため、2041年には白人の人口が過半数を割るという統計があるほどです。
そうなったら一体どうするのか? 今よりもっとひどいことになるのでは? という、言葉になっていない潜在的な恐れを利用して、じゃあ今何かしないとまずいのでは? につなげているのがトランプ=バノンの戦略だと思います。
なぜ彼らはそんなに恐れているのか? そこにはトランプ&バノンの現実を拡大?した巧みな言葉によるマニピュレーションと、メディア陳腐化と、何よりアメリカの長く暗い歴史が関係しています。
時間がつきましたのでまた書きますね、これは違うのでは?と思う方はどうぞコメントしてください。
トランプ劇場次回もお楽しみに?