(JFN – Day By Day でレポートした内容を再構成しています)
例年だとこの時期のニューヨークは、冬の間に積もった雪が黒く汚れて、1年で一番美しくない季節なんですが、なぜか今年は雪もなければ、やたら暖かい。
ニューヨークよりちょっと南のワシントンDCでは、名物の桜並木が例年より2週間早く3月中旬には満開になりそう、これは1921年以来、歴代タイ記録の早い開花だそうで、やはり温暖化?と思ってしまいますが、ワシントンDCのトランプ政権は、地球温暖化を否定。なんといずれは環境保護庁自体をなくす方向で動いていると伝えられて、大論争になっています。
・・・・とまたこの話題に行きそうなのをぐっとこらえて、今日は桜と同様にアメリカにやってきた日本文化の話題。
今ニューヨークには、日本発のレストランが続々オープンしています。その中で特にはヒットの予感のお店が「いきなり!ステーキ」
なぜかというと、ニューヨークのミレニアルズと呼ばれる若者世代(18〜35歳)のテイストにぴったりハマっているからなんです。
高級な厚切りステーキを立って食べるという斬新な食べ方と、値段のリーズナブルさで、日本で大ヒットしたいきなりステーキですが、開店前から多くのアメリカメディアに取り上げられました。
なんといってもアメリカはステーキの本場、そこに日本から、しかも立ち食いという「衝撃的な食べ方」
そもそもアメリカには立って食べるという文化はありません。しかもお肉の国とはいえ、普通ステーキ店とはかなりの高級店で、だいたい1年に1回とか2回、家族の誕生日などに出かける、前菜からゆっくりと3時間くらいかけて食べる、というのが普通。
それに比べ、立ち食いだからこそ回転が上がり、その分安い値段(高級店の半額)で立って食べてさっと出られる、というのがコンセプトとはいえ、果たして立ち食いが受け入れられるのか?という疑問を、どのメディアも問題提起していました。
でも私はこの店絶対ヒットすると思っています。その理由は・・・
まず、オープンのために日本から駆け付けた一瀬社長が「忙しいニューヨーカーには必ず受け入れられるはず」とおっしゃっていましたが、その通りだと思います。
特に若いミレニアルズに受け入れられる理由をいくつか挙げると・・・

– ミレニアルズはファストカジュアルが好き
というのも今若者の間では、ファーストフードより値段が高いけれど、質のいい食事をスピーディに食べられる、ファストカジュアルレストランが 大人気。
-ミレニアルズは体験型の消費を好む
立って食べるという体験だけでなく、お肉を自分の好きな量だけ目の前で切ってもらったり、肉汁が服につかないようにとエプロンをかけたりというのが、この傾向にマッチ。
– 立って仕事するなら立って食事もOK
彼らは、1日中デスクに座っての仕事は体に悪いからと、立ちデスクで仕事する人が増えている世代。だから立って食べるのもかえってヘルシーという発想がある。食べながらカロリー消費と言ってた強者のお客さんもいました。
– コミューナル・テーブルが人気
さらに年長世代は、赤の他人と同じテーブルで食べるのにちょっぴり抵抗が。でも今の若者はコミューナル・テーブルと呼ばれる、共同テーブルで食べるのが大好き。
– ミニマリスト
これも年長アメリカ人と大きく違うところで、シンプルでミニマルなライフスタイルを好む人が増えている世代。だから前菜なしでいきなりお肉どーん!というシンプルなメニュー構成はプラス。
– フーディ
何よりも今の若者はグルメです。少々高くても美味しくてヘルシーな食べ物にこだわり、行列するのも厭わず、写真を撮ってインスタグラムにあげる世代。
果たして先週木曜日の初日、ランチタイムは若いお客さんを中心に満員状態、週末には行列ができたとのこと。
私もいただきましたが、リブステーキのとろけるような脂身と歯ごたえのバランス、そしてお醤油ベースのソースの味が絶妙で、 立っていることを忘れました。
ステーキの味に関してはどのメディアも、話を聞いたお客さんも大合格点を出しています。
ニューヨークで大ヒットの予感がします。

90 E 10th St, New York, NY 10003
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