「ニューヨークは忘れない」第6回Together For 3.11追悼式 We Will Always Remember

(JFNのラジオ番組Day By Dayにレポートした内容を再構成しています)

この季節は私たちもニューヨークで3月11日の東日本大震災のことを考えて過ごしています。
というのも、2012年から毎年、ボランティアのグループで追悼式を主催していて、前の年の10月から、1年の5ヶ月はその準備に費やしています。

今年は5日日曜日に行いました。今年もたくさんの日本のテレビや新聞が取材に来てくれたので、ご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。

どんな追悼式だったのか、そしてなぜ遠く離れたニューヨークで、私たちが毎年この式典を続けているのか、この機会にお伝えさせて頂けれと思います。

Together For 311東日本大震災第6回追悼式、今年もニューヨーク在住の日本人を中心に400人以上が集まりました。

ニューヨーク総領事の高橋大使による黙祷に続き、次々と流されたのは、被災地からのビデオメッセージです。犠牲になられた方々への祈りを捧げる、そして、被災地の今を知る、というのもこの会の大きな目的だからです。

壊滅的な被害を受けた陸前高田市の戸羽市長からのメッセージは、力強い言葉の裏に復興への道の厳しさをひしひしと感じさせるものでした。

ボランティア団体ガーネット宮城の小笠原さんからのメッセージでは、まだ支援が必要な人がどれほど多いかということを痛感しました。

また今年は、去年の熊本大分地震の被災者からのメッセージも届き、頑張っている皆さんの姿に心から感銘を受けました。

そして、4回目の2015年からはありがたいことに毎年、被災地からのゲストが駆けつけてくれるようになりました。

今年福島から来てくれたのは、大堀相馬焼 松永窯の若き後継者、松永武士さんです。
松永さんはもともと窯を継ぐ気はなかったのですが、東日本大震災で浪江町にあった家業の伝統的工芸品「大堀相馬焼」の窯が破壊され、実家も原発事故で帰宅困難になったのをきっかけに、自ら「大堀相馬焼」の再建することを決意したと言います。
生まれ育った街に戻ることができない松永さんが、伝統工芸品を通して、失われた故郷を守り続けようとしている姿に強く胸を打たれました。故郷とは何かということを考えさせられる、心に響くスピーチでした。

同じ福島県から、相馬市のみなと保育園の園児からの心温まるメッセージ、さらに国際研修のためにちょうど訪米中だった、双葉未来学園の生徒らも列席。そしてニューヨークからは、70人の日系人の子供達で構成される風の環合唱団が日本の唱歌を歌い、被災地にエールを送りました。子供達の笑顔や歌声ほど、未来への希望を感じさせてくれるものはありません。

こんなふうに毎年、同じスタイルで6年間続けてきました。最初の年は1000人以上が集まりましたが、今はだいたい4〜500人、でもとにかく10回目までは続けることにしています。

6年前、私たちニューヨークの日本人は何もできない自分たちに焦りを感じながら、震災の数日後からタイムズスクエアなどに出て募金活動を始めていました。被災地でのボランティアなど、最初はバラバラで活動していた有志が集まって、遠く離れたニューヨークから、少しでもできることはないかと、主催代表でシンガーソングライターのAKさんを中心に、みんなで考え抜いた結果、離れているからこそできることをしよう、それは「心を寄せること」そして、被災地に「私たちは忘れていない」というメッセージを送ること。と決めました。

幸いニューヨークという場所柄日本のマスメディアの支局も多く、みなさんがこの趣旨を理解して毎年取材してくださっています。日本領事館を始め多くの団体も告知に協力してくださり、60名を超えるボランティアさんが手伝ってくれています。教会のレンタル費などの経費をサポートしてくださるスポンサーさんもありがたい限りです。そして今年も、集まってくださった方々から50万円以上の募金が集まりました。

小さいお子さんがいらっしゃるお母さんからは「ニューヨークにいるとなかなか情報もなく、教えることができないことを子供に教える機会になった」というありがたい言葉をいただきました。
被災地のNPO団体の方からは「去年の5回忌と違い、 今年は取材の依頼もなかったのに、ニューヨークから発信してくれて嬉しかった」という、身にあまる光栄なメッセージもいただきました。

また熊本の宮崎さんは、私たちのビデオメッセージに出演したのが元で、地元紙にもその頑張りが紹介されたそうです。

ニューヨークという遠く離れた場所で行っている手作りの小さなコミュニティ活動です。大海の一滴かもしれませんがそれでも「忘れない」というメッセージを送り続けることができるなら、本望です。

Together For 3.11のフェースブックページでは、たくさんの写真や出演者のプロフィールが掲載されています。

https://www.facebook.com/TOGETHERFOR311/

今年の式典の詳細はこちらから。

https://www.facebook.com/events/1778762325681968/

主催者グループ・フェローシップ・フォー・ジャパンとボランティアたち Fellowship for Japan & Volunteers

(写真クレジット)
TOGETHER FOR 311
Official Photography
© Lisa Kato, Tomoko Iki, Atsuko Horiuchi

 

Day By Day(JFN系全国19局ネット)青森・岩手・秋田・山形・栃木・長野・福井・岐阜・滋賀・山陰・岡山・山口・徳島・高知・香川・大分・佐賀・長崎・鹿児島
http://park.gsj.mobi/program/show/27306

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