(JFNのラジオ番組Day By Dayにレポートした内容を再構成しています)
日本は新入社の季節・・・新しく仕事についた皆さんおめでとうございます。アメリカは企業が同じ時期に新卒を入れて入社式をするという習慣はありません。どうやら新卒一括採用というのは日本独自の習慣でのようですね。でも、若い社員をどううまく扱えばいいかという悩みは万国共通のようです。
アメリカの若い新入社員は、いわゆるミレニアル世代(18歳から35歳)この世代が社会に出始めて以来、会社の上司は頭を悩ませ続けています。というのも彼らの仕事の仕方がこれまでの世代と全然違うからです。アメリカの上司、新入社員にどんな悩みを持っているのか、今日はそんなお話。
今の新入社員の最大の特色の一つは、デジタルネイティブ。例えばフェースブックをやっているから注意したら 、実はクライアントのページを見ていた、とか。ビデオゲームをどうしてもやめないから怒ったら、ゲームしながらの方が仕事がはかどるといわれたとか。
かと思うと、毎日の仕事に対していちいち反応してコメントしないと、すぐやる氣をなくしてやめてしまうとか。平気でタメ口きいてくるとか。
さらに、成績が悪いからボーナスが出ないよと伝えたら、怒った両親が会社にやってきたとか。昇進できなかった社員の親は、1日何十回も電話してきたとか。ノイローゼになってセラピストに駆け込む上司もいるらしい・・・
とにかく扱いが大変な連中、
少子化の中で過保護に育てられて、自分中心でスポイルされたナルシストと悪口を言われがち。
そんなわけで「ミレニアルズの部下をどうすればうまく使えるか」という記事が、ここ数年すごい数出続けています。そして、歩み寄ろうとしているのはどちらかというと雇用する側、大人のようです。
早く結果が出ないとすぐ諦めてしまうのは、なんでもネットですぐ できてしまう時代に育っているからだったり、マルチタスクが当たり前で、集中するのが苦手だったり、ナルシストに見えるのはせっせと自撮りしているからだったり。
そして、すぐに別の仕事に移るのは、実は仕事にやりがいを求めているから。例えばミレニアルズの6割以上は、社会をより良くするために働きたい、と答え、お金よりやりがいを求める傾向にあるんです。
一方リーマンショック後の厳しい就職状況で、大卒の給料はほとんど上がらず。しかも彼らの7割は スチューデントローンを背負って卒業、多くが3〜400万の借金を抱えて世の中に出ている。
そんな彼ら、まずとにかくお金が稼げる、雇ってもらえる会社に入って、自分が本当にやりがいのある職場を見つけたら転職する。
だったら会社の方も、 彼らのやる気やアイデアを早く業務に反映できるような、横のつながりが強い職場環境を作ったり、会社としての社会貢献をもっと増やすなどして、若者に魅力がある職場として、会社の方から変わろうとしているのも面白いところ。
そうやってミレニアル世代を取りこむことで、今度は消費者としての若い世代集団にアピールできる、そんな商品やサービスを生み出すことを狙っています。その結果、アメリカでは消費社会や文化もここ数年、ものすごい勢いで変わってきているんです。
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