(JFN系全国ネット ON THE PLANETで4月中の月〜木で放送している「今日のトランプ大統領」を再構成しています)
4月6日(木)
日本は新入学、新入社、そして人事異動の時期ですね。
実は昨日トランプ政権ではかなり重要な人事異動がありました。
スティーブ・バノン主席補佐官が、国家安全保障会議の主要メンバーから外されたんです。ホワイトハウスは否定していますが、事実上の降格です。このバノン氏一時はバノン大統領とか、ダース・ベーダーとか言われて、特にトランプ強硬路線を演出する影の黒幕的存在でした。
でもその結果、強引な健康保険法撤廃も入国禁止法もことごとく失敗、支持率も史上最低レベルで低迷する今、なんとか新しい局面にシフトしたい、その象徴としてバノン氏を外したとも推測されています。
しかしそれ以上に大きいのは、今週次々に起こった海外での危機です。今日行われる米中首脳会談を前に起こった、北朝鮮のミサイル発射、そして一昨日のシリアでの事件。特にシリアの事件へのトランプ大統領の反応はこれまでとかなり違いました。一昨日シリアのアサド政権が、反乱軍のエリアを化学兵器で攻撃、86人もの犠牲者、特に多くの子供や赤ちゃんが犠牲になった痛ましい事件です。
ご存知の通りトランプ政権の外交は「アメリカファースト」を打ち出しています。ですからこれまでシリア内戦に関しても「アサド大統領の進退はシリア国民が決めればいい」という態度を示していました。これまでのオバマ政権とは180度逆の路線だったんです。今回の攻撃は、このアメリカファーストの外交政策を試す、トランプ政権の出方を見るテストだったと言われています。
トランプ大統領は「子供や赤ちゃんまで・・・今回は許せる範囲を大きく超えている」と感情を抑えきれない様子で、シリア情勢は「自分の責任」であり何らかの行動に出ることを約束。アメリカファーストからの逸脱を匂わせてはいますが、具体的な方策は全く示されていません。
ここで人事移動に話を戻すと、バノン氏が国家安全保障会議から外された後、それ以前の主要メンバーが新たに復活しています。一連の外交危機に対応するためには、これまでのバノン主導の強硬なアメリカファーストではだめで、軍事戦略のプロが必要になったという判断とも考えられています。
そして今日はいよいよフロリダにある南のホワイトハウス、トランプ大統領の別荘でもあるマーラ・ア・ラーゴで就任後初めての米中首脳階段が行われます。
トランプ大統領、昨日の安倍首相との電話会談では、同盟国日本を100%支えると共に、中国の役割が重要であることも確認したと伝えられています。しかしご存知のようにトランプ政権は中国に対してはこれまで、貿易不均衡や北朝鮮への政策に関し、かなり強硬な態度で接してきています。バノン氏を降格させた今、強硬路線から新たなソフトな方向性にシフトするのでしょうか?
今日はトランプ大統領にとっては就任以来最大の試練の日、そしてアメリカ、そして世界にとっても大変重要な日になるのは間違いないのですが、一体どちらに転がるのかは全く予測がつかないというのが実態です。
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