(JFN系全国ネット ON THE PLANETで4月中の月〜木で放送している「今日のトランプ大統領」を再構成しています)
4月25日(火)放送
今日もアメリカメディアの論調を中心にお伝えします。
昨日のレポートでは、
トランプ大統領の就任から100日になるのを前に、あと数日でいろいろな公約を達成しようというトランプ大統領が大忙し、北朝鮮よりもそちらで手一杯という話をしました。
その一つが、メキシコ国境の壁です。あれだけ大騒ぎしたのに、一体どんな壁をどこにどう作るのか、まだ発表されていません。
でもあまり大きく報道されていませんが、3月に壁のデザインコンペがあって、数百の会社が応募したと言われています。
そして、この募集要項に書かれていた条件から、政府がどんな壁を想定していたかわかる。
高さ30フィート(およそ9メートル)
人が天辺まで登れないこと
壁の下にトンネルが掘れないこと。
デザイン的に美しいこと、ただしこれはアメリカ側だけ 。
4月4日に締め切られていて、応募したいくつかの会社がメディアにデザインを発表しています。
- ソーラーパネル付き:余剰電力を売って壁の建設費の支払いに回す
- 展望台を作って観光客を呼ぶ
- 壁そのものをアートにする
- 壁沿いに核廃棄物の貯蔵施設を作る。
・・・かと思うとこんなデザインも、
壁の両側をアメリカとメキシコ市民が自由に集える公園のような場所にする・・・
これは、抗議の意味が込められていますね。
そしてこの壁を9月から建設を始める、とトランプ政権は言っています。
でも国境全てに壁を作るとお金がいくらあっても足りないので、幾つかキーになる場所から作る計画のようで、(それでも300キロ以上)昨日月曜日には、カリフォルニア州 のメキシコ国境の街に、「おたくの街から作るからからね」という通達があったそうです。
しかし、最も重要な財源、2兆円以上というお金はまだ調達できていません。選挙運動中は「メキシコに出させる」と息巻いていましたが、メキシコの大統領は「絶対に出さない」と言っている。
なので 、100日目を前の最重要課題として、かかるお金を、税金から出してもらうよう議会でやりあってきました。言い分としては、まず税金で作るけど、このお金は後からメキシコから戻ってくるから、と意味不明な言い方をしています。しかも、今週金曜日までに成立させないといけない連邦予算と抱き合わせて、「壁の予算が出ないと、政府機能が停止するぞ」という駆け引きをしています。
とにかく意地でも壁を作りたいトランプ大統領ですが、実はアメリカ人はそうでもありません。世論調査によれば、6割近い人が壁に反対、賛成の3割を大きく上回っています。
そんなこんなで今週中に壁の予算は出てきそうにないというのが大方の予想。トランプ大統領もさすがに弱気になったのか、「先送りにしようかな」という発言があったという報道もされています。
*追記:放送の後、トランプ大統領が壁建設を先延ばしにすると発表されました。
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