（JFN系全国ネット　ON THE PLANETで月〜木で放送している「今日のトランプ」を再構成しています、担当DJ毎週月曜日はマシューまさるバロンさんです。）

５月２２日（月）放送

ちょっと忙しくて番組にも間が空いてしまいましたので、少し振り返ります。

と言いつつ、先週１週間でトランプ大統領関連の報道で何があったか全部思い出せるアメリカ人は、むしろ少数派かもしれません。

月曜日：トランプ大統領がロシア高官に対し、機密事項をしゃべったのではないかという疑惑

火曜日：大統領がロシア疑惑をもみ消すために、元FBI長官をクビにしたという証拠になるかもしれない「コミーメモ」の存在が浮上。

水曜日：そのロシア疑惑を捜査するための国務省が「特別検察官を任命」。

木曜日：その動きに関してトランプ大統領が「それは魔女狩りだ」と怒りのツイート

金曜日： さらに彼の「クレイジーなFBI長官がいなくなってホッとしたよ」という発言がスクープされ、同時にホワイトハウスの弁護団が「大統領弾劾」に備えて調査を始めたという報道。

・・・わけがわからないですよね？
わからないけれど、毎日衝撃のスクープが報道が続いて、

アメリカ人の本音としては、大事なのはわかるんだけど、頭がスピンしそうでフォローしきれないし、「もうたくさん」という感じ。刺激がありすぎて刺激にマヒしてしまっています。

でもあえて今の状況を一口で言うと、「トランプ大統領がロシアと共謀して、大統領選の結果に影響を与えようとした疑い、または、その捜査を、FBI長官をクビにして妨害しようとした疑い」で、まだ可能性はとっても低いけれど、弾劾されるかもしれない可能性が、ゼロではなくなった、ということなんです。

では本当に弾劾されるのか？これは本当に今後の捜査や政治的なパワーバランス次第で全くわかりません。ニクソン大統領のウォーターゲート事件の時も、発端から２年以上かかっていますから。

ではトランプ大統領が弾劾される確率はどれほどなのか？メディアの論調はまだ出ていません。確実な判断材料が揃わないからです。まず「弾劾」という言葉自体が浮上したのが先週で、特別検察官が決まったのがきっかけ。だから捜査は全てこれから。トランプ大統領の行為に司法妨害という犯罪性があるのか、はたまたトランプ陣営のスタッフに違法行為があったのか？　それをどこまで追求できるのか？
ただこの特別検察官は、コミー長官の前の元FBI長官で多くの難事件を解決した凄腕です。そういう意味では真相解明に期待がかかっているというのはあります。

一方で「弾劾」自体は犯罪裁判ではなく、政治的に「やめさせる」ということになるので、議会の多数派を占める共和党、つまりトランプを擁護してきた議員が、２０１８年の中間選挙を見据えて、トランプについた方が有利なのか、そうでないのか、という政治的な判断にもかかってきます。

というわけで、今の所のメディアの共通認識としては、可能性がゼロではないというのが今の論調です。

では世論はどうなっているかというと、弾劾されて欲しいという人が過半数という数字、弾劾されるのではないかと考えている人が過半数近くという数字も。

面白いのは、オンラインのbetting exchange賭け取引所サイト。いろいろな出来事に対して賭けをし、その結果を取引するサイトがいくつかあるのですが、「トランプは人気を全うできない」の確率が５割から６割。２０１７年中にやめるのではという確率も２割以上という結果が出ています。色々クレイジーな情報が飛び交うのも関心の高さを表していますね。

ところで実はトランプ大統領、昨日から、就任以来初めての外訪中ですが、アメリカ人正直ホッとしています。おかげで大統領の過激な発言もツイートもないから。

代わりに中東でなかなかいい仕事をしています。サウジアラビア、イスラエルでのスピーチは、原稿通りに喋ってくれている。

しかも選挙戦の間はずっと「イスラムは私たちを憎んでいる」と言い続けていましたが、今回はイスラム教やイスラム教徒を攻撃せず、「憎むべきはテロリスト」という方向に大きくシフトしている。

これは非常に大きな変化で、基本的に歓迎されています。というのも、トランプ大統領の「イスラム嫌い」発言は、ISなどのテロリストにとっては、格好の宣伝材料だったからです。

「過激なネガティブ発言さえなければ」というのはハードルが相当下がっているとも言えますが・・・・

今週はこれからバチカンを訪問してローマ法皇にも合うということで、この調子で乗り切って、戻って北朝鮮など諸問題に冷静に対応して欲しいと、アメリカ人は心から願っています。

 

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