(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送している「今日のトランプ」を再構成しています、担当DJ毎週火曜日はアーティストのDさんです。)
5月23日(火)放送
トランプ大統領は現在、就任後初めての外訪中、イスラエルからローマに移動中です。
昨日のレポートでは、これまでトランプ大統領は選挙運動中から一貫して「イスラムはアメリカを憎んでいる」言い続けてきた。今回初めてその言い方を翻して、「憎むべきは(イスラムではなく)邪悪なテロリスト」としました。
これは大変大きい、なぜならアメリカ大統領がイスラムを敵に回しているイメージは、特にイスラム過激派にとって、テロを煽る言い訳に利用されてしまうから、とお話ししたばかりですが・・・
ところがそのすぐ後、昨日また大きなテロが起こってしまいました。アメリカではなく、イギリスで。
イギリス、マンチェスターのコンサート・アリーナで、アリアナ・グランデのコンサートが終わった直後に、自爆テロと見られる爆発が起こり、22人が死亡、59人がけが・・・
そしてつい先ほど、犯人は22歳のアラブ系のイギリス人と報道。単独犯行とみられ、
ISISも関与を表明しているが裏はとれていません。
ニューヨークからロンドンは、Across the pond(池の向こう)という言い方をするほど近い存在。しかもアリアナ・グランデはアメリカのスーパースター、狙われたのはそのファンの小学生や中学生の若い子供達。アメリカ人も大きなショックを受けています。
同時に、その直後からニューヨークでも、多くの人が集まるアリーナ、マジソンスクエアガーデンやヤンキースタジアムなどの周囲は、多くの警官が出て警備が非常に厳しくなっています。
アメリカでもマイアミでつい1年足らず前、ゲイクラブでテロ攻撃があったばかり。大勢の人が楽しんでいる場所を狙ったテロが増えてきています。
これを防ぐのは難しい・・今回の爆発もセキュリティエリアの外で起こっている。ニューヨークでは大きなコンサートホールでは入り口で必ず金属探知機を通る。でも外で起こってしまうとどうしようもない。(イスタンブールの空港テロも同じ)
ではこうしたイスラム過激派が、最初から入国しないようにすればいいかというと、これもまず役に立たない。
なぜなら・・・2001年の911以降これまでアメリカで起こったテロの犯人は、(911を除くと)全てアメリカ生まれ、またはアメリカで育ったアメリカ市民だった。(1件だけ移民が関わっている)
アメリカで生まれて、育ったのにイスラムのテロリストになってしまう。
今回のマンチェスターの実行犯もマンチェスター生まれの22歳のイギリス人、両親はリビアからの移民です。
その背景には、ISISがネットで「キリスト教徒はイスラムを憎んでいる。戦わなければやられる。」というメッセージをどんどん出して、若いイスラム教徒をあおっている。
しかしこう言うメッセージが若者に響いてしまう背景には、テロのためにイスラム教徒に対する偏見が強まり、ヘイトクライムも増えている。貧富の差も大きくなっている。また母国では長い戦争で多くの市民、子供達が犠牲になっている。それが若いイスラム教徒のアメリカ人を、過激な方向に進ませ、そして新たなテロが新たな偏見を生み出してるという負の連鎖が続いています。
そもそもテロ自体も、根深い中東問題:ヨーロッパ、アメリカ、そしてイスラエルの宗教と石油利権をめぐる戦いの中から生まれてきたもの。
そんな中でトランプ大統領は、中東の平和実現をアピールし、イスラムのリーダーは力を合わせて、若いイスラム教徒のラジカル化に立ち向かわなければならない、とスピーチしましたが・・・
今回はそれに真っ向から挑戦するようなテロ。平和の実現は本当に難しいことを象徴したような事件になりました。
この事件、今後のテロ対策、移民対策にも大きな影響を与えそうです。
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