(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送している「今日のトランプ大統領」を再構成しています、)
6月5日(月)放送
1週間ご無沙汰している間にロンドンではテロが起き、アメリカ国内でも連日のトランプ・ニュースで追いつかない状態・・・
先週私は仕事でニューオリンズに行っていたのですが、ニューオリンズといえばジャズ発祥の地と言われる音楽の街で、ミシシッピ川のデルタ地帯にあります。2005年のハリケーン・カトリーナでは街ごと水に浸かって、多くの犠牲者を出した場所ですこのミシシッピ川に行ってびっくり、
水位がすごく上がっているんです。立っている土手ギリギリまで水が来ている。
地元のニュースでは洪水ギリギリの記録的な水位に達していると伝えていましたが、地球温暖化のリアルな姿を目撃しました。このまま行くと、ニューオリンズの街は今世紀半ばには水に浸かってしまう、フロリダ沿岸部やニューヨークでも同じことが起きると予想されている。
そのために、温室効果ガスを少しでも減らさなければならないのですが・・・
ご存知のようにトランプ大統領は先週、パリ協定からの離脱を発表しました。
パリ協定というのは、世界の国が歩調を合わせて地球温暖化に立ち向かうために、温室効果ガスなどを減らしましょうという協定。オバマ前大統領が音頭をとって、アメリカは2025年までに温室効果ガスを26〜28%減らす目標を掲げていました。
それを止めます、というわけです。
実は世界でパリ協定に入っていないのは、内戦が続いているシリアと、ニカラグアの2カ国だけ。アメリカもその仲間入り。
でもアメリカはただの国ではない、温室効果ガスの排出量、中国に続いて世界2位の汚染大国です。当のアメリカ人でさえ、7割がパリ協定にとどまることを望んでいたので、「本当にやめるんだ!?」とびっくり。
その理由がこれまたビックリ。
「自分はパリではなく、ピッツバーグを代表するために大統領になったんだから」
ピッツバーグというのは、伝統的な工業都市、ブルーカラーの街。パリ協定はアメリカ経済発展を妨げるから、と言いたかったわけですが、それだけではありません。
要するに、トランプ大統領は炭鉱労働者を中心としたブルーカラーの票おかげで、当選できたからです。
その背景には、アメリカの炭鉱を中心とした化石燃料業界が、オバマ政権時代に進んだ再生可能エネルギーへのテコ入れに反発して、巨額のお金を使ってロビー活動してきたという流れがある。地球温暖化を否定する議員に権力を与える努力をしてきた。その活動が実って誕生したのが、トランプ政権だった。だからパリ協定からの離脱は当然の結果と言えます。
ではこれからどうなる?
ニューヨークやカリフォルニアなどの少なくない州や市では、基準値を下げることなく独自の環境保護で行くと宣言。
実はトランプ大統領が名前を出したピッツバーグ市はパリ協定離脱の理由に使われたことに反発、2035年までに100%再生可能なエネルギーに転換すると宣言しました。
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