[Radio] トランプ大統領が「シェイクスピア劇」で暗殺・大炎上 Trump Supporters Outraged For “Trump Caesar” Assassination

(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)

6月19日(月)放送

週明けの今日は週末のトランプ大統領周辺の動きをキャッチアップします。

ニューヨークでは先週末、こんな出来ごとがありました。セントラルパークで行われていた、毎年恒例のShakespeare In The Park。セントラルパークの野外劇場で、シェイクスピアを無料で上演していて、これがもう毎年整理券が手に入らない大人気。

ところが今年はそこに大論争が加わりました。今年の出し物。「ジュリアス・シーザー」シーザーが暗殺されるストーリーです。でも舞台設定は古代ローマではなく現代で、シーザーのキャラクターがスーツに赤いネクタイで、つまりトランプ大統領そっくり。

それを知ったトランプ派の政治家が「これって、トランプ大統領を攻撃する雰囲気を奨励してるんじゃないか」と発言したものだから大炎上。

これを受けて論争を恐れたスポンサーが撤退。先週金曜夜の公演には、トランプ派の女性が突然舞台に乱入して抗議。昨日の最終日にも、 同じように舞台の進行を妨げるアクシデントが2回も。いずれも「ヘイトクライムを奨励するな!」

アメリカは政治家に限らず、 権力がある人をいじるのは普通です。皮肉ったり、馬鹿にしたりする伝統があリます。お笑いに政治ジョークは欠かせないし、芸術も同じ。それで庶民はガス抜きしたり、本音を言うことができる。民主主義の最も重要な要素である、言論の自由が保障されているというのは、そういうことでもあります。これは政治家を厳しく攻撃するメディアにとっても同じ。

実はこの劇団、これまでも現代版ジュリアス・シーザーを何度も上演していて、オバマ大統領がシーザーだったり、パンツスーツのヒラリーがシーザーだったり・・・その時も色々と批判はあったものの、ここまでの問題には発展していませんでした。

ところが今回に限っては、スポンサーが降りるという異例の動き。これは先週の共和党議員を狙った銃撃の影響もあると考えられています。でもこうしたヘイトクライムは、あくまで犯罪であって、原因があって起こっている。
芸術表現を否定する動きにつながるのは危険、と大きな反発が。権力による言論の自由の制限に発展するのを絶対許してはいけない!という論争です。

そもそも芸術作品には常にこうした論争はつきもの。だいたいシェイクスピア自身が、このジュリアス・シーザーという作品を、16世紀末のイギリスの政治不安の時期に書いて上演、民主主義がどれほどたやすく失われてしまうか、権力というものが簡単に腐敗してしまう、というメッセージを出していた。それが400年以上たった今も、これほどの炎上を引き起こすとは!2017年の今、言論の自由をめぐる論争、そしてヘイトクライム論争に一石を投じているなんて、シェイクスピアはやはりすごい!

ちなみに実際に見た人によれば、そんな暴力を奨励する雰囲気ではなく、抗議の乱入も「演出かと思ったくらい」だったそうです。

個人的には言論の自由は大歓迎、そしてどんどん論争すればいいと思います。
そこから、民主主義がどうあるべきか、というのが浮かび上がってくるから。
でも論争はいいけど、憎しみや争いに発展したら、それこそ本当にテロリストの思うツボだと思いますから。

JFN系最大36局ネット(時間帯・曜日により若干変更有)26時8分くらいから

ネット局:青森、岩手、秋田、仙台、山形、福島、群馬、栃木、東京、静岡、愛知、新潟、長野、富山、石川、福井、岐阜、三重、滋賀、大阪、神戸、山陰、岡山、広島、山口、香川、徳島、高知、愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s