(JFNのラジオ番組Day By Dayにレポートした内容を再構成しています)
ニューヨークの今日は1日遅れて夏至でした。アメリカでは夏至は、The First Day Of Summer 正式に夏が始まったことになります。
特に南西部には数十年ぶりという記録的な熱波が来ていて、今日の最高気温50度以上まで上がったところも。気温が高すぎると小型機が離陸できないそうで、空のダイヤも乱れているようです。
かと思うと南部のメキシコ湾岸にはトロピカル・ストーム(ハリケーンの一歩手前) ニューオリンズなど沿岸地域には大洪水に備えて非常事態宣言が。
ニューヨークではおととい、雷とともに1時間に120ミリの夕立が降りましたが、その後に特大サイズの虹が! しかもダブルレインボウ!しかも空はまるでピンクの綿あめみたいな色。
レインボーといえば、LGBTを象徴する色! 今週のニューヨーク、LGBTプライド・ウィークです。どんな1週間なのか、どんな催しがあるのかレポートします。
LGBTプライドウィーク、LGBTをセレブレートし、その人権を主張する1週間。大規模な抗議行動からスタートし、セミナーやパーティ、
そして今度の日曜日、250万人が参加する大パレードで締めくくられます。ドラッグクイーンからマッチョなゲイのお兄さんから、人権保護団体までが、音楽をガンガン流しながら行進するこのパレード。実に今年で48回目!そして48回目にして今年ついに初めて、テレビ中継されることになりました!
今年のパレードの先頭を切って歩くグランドマーシャルの一人は、ブルック・グイナンさん29歳。トランスジェンダーとして初めてのニューヨーク消防局の消防士です。
トランスジェンダーの存在、少しずつ世の中に認められてきていますが、消防士のような保守的な職場で採用され、しかもパレードの先頭を歩くというのは、さすが自由の街ニューヨーク!
アメリカでは48年かけて、LGBTの人権が徐々に認知され、2015年には同性婚も認められました。でも同時に、反対する人たちによるヘイトクライムも増えているのが現状です。
そんな中で今静かな論争になっているのは、10年に一度の国勢調査に、LGBTの枠を設けるかどうか。国勢調査だからもともと性別、男か女かに丸をつけるわけですが、ここに、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーというチェック項目をもうけるべきではないかという提案です。国が彼らの数を把握していることは、平等なサービスを提供するために不可欠なだけでなく、偏見や差別から彼らを守ることにもなる、という意見です。
実はこれは 具体化しそうな方向だったのですが、トランプ政権になったために、後退したと言われています。2020年の国勢調査に向けて、今後どうなるかが 注目されます。
いつもしつこいくらい言っていることですが、マイノリティや移民の権利を守ることと同じように、LGBTの権利を守ることは、他人事ではありません。それ以外の人にとってもとても重要なんです。あらゆる人の自由と平等の権利が守られてこそ、民主主義の国だから。平和や豊かさは、みんなが自由で平等で幸せだからこそ達成できるからです。この1週間LGBTコミュニティと一緒にニューヨークはそんなメッセージを発信しています。
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