(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)
7月3日(月)放送
アメリカは明日が独立記念日。多くの人は連休を取っていて今日はお休み。
そんな中で、トップニュースはトランプ大統領のプロレスツイート。トランプ大統領が、CNNのキャスターと想定される人物を、本当にボコボコに殴る面白動画を、ツイッターに投稿したアレです。
この一連のメディア攻撃ツイート木曜日から始まっていました。
フェイク・メディアと決めつけていたMSNBSのモーニングショー司会者を攻撃。特に女性キャスターに対し「整形した顔から血を流しているクレイジーな女」みたいな言い方で侮辱。これはもはや大統領とかそういう問題ではなく、人間としてありえないと大炎上。普段はトランプ大統領の味方の共和党議員も含めて批判の嵐。
ところがホワイトハウス関係者は「トランプ大統領はいつもメディアの不公平な攻撃にあっているから、このくらいの反撃は当然」と擁護。
それは違う! メディアというのは民主主義の3権分立の、4つ目のパワーとして、権力を批判して勝手なことをさせないようにチェックするのが重要な機能なんです。だから大統領が批判の的になるのは当たり前なんです!オバマもブッシュもクリントンもボコボコにやられてたんですよー。
ボコボコといえば、ファーストレディのメラニア夫人はこうコメントしたそうです。「私の主人は殴られたら10倍返しにする男です。」その影響か? CNNボコボコツイートは、もはや理解の範囲を超えました。
こんなものが出てしまったら、ジャーナリストに対して暴力を振るう支持者が出る可能性がある、報道の自由が妨げられるだけでなく、ヘイトクライムを煽っている!と警告の声も上がっています。
しかし!
この一連のツイッターがただトランプ大統領のメディアへの怒りが原因かというと、そうではないという声もあります。私もその意見に賛成なのですが、このところずっと言ってきた、事実を「煙に巻く」作戦から、「ショッキングなツイッターで、他のニュースから目をそらす」作戦ではないかと。
事実この一連のツイッターに注目が集まりすぎて、報道が激減した重要なニュースがいくつかあります。
まず、頓挫寸前になっている健康保険法案。成立すると2200万人が保険を失うというので、成立が危うくなっています。
実はトランプ大統領は、“整形出血ツイート”とほぼ同時に、「もう新しい法律はいいから、今あるオバマケアを先に廃案にしよう」とツイート。そうなると、代替案より1000万人も多い3200万人が保険を失うということはほとんど報道されませんでした。
ロシア疑惑の大スクープも出たんですが陰が薄くなりました。そして、その疑惑の中心人物プーチン大統領とG20で会談するというニュースも、
そのあおりで、東京都議会戦のニュースも全く出ていません。
トランプファンには面白すぎる。反対派にとってはひどすぎて無視できないから、その結果「煙幕」として利用されてしまう、そういう意味でトランプ大統領は天才かもしれません。
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