(JFNのラジオ番組Day By Dayにレポートした内容を再構成しています)
独立記念日=花火と言っていいほど、アメリカ人は花火が大好きで、全米のありとあらゆる街で同時に花火大会が開かれます。夏のホリデーを楽しんだ後、盛大な花火を見ながらアメリカっていい国だな、アメリカ人でよかった、というハッピーな気持ちで終わる1日のはずだったんですが・・・
そんな日に飛び込んできたニュースが、「北朝鮮のミサイル発射」しかも今回のは「アラスカにまで届くかもしれない大陸間弾道弾」ということで、アメリカ人も戸惑っています。どんな報道がされているのかをレポートします。
独立記念日から一夜明けた5日の朝、ニューヨークの右寄りのタブロイド紙NYポストにはこんなショッキングな見出しが載りました。
「KISS YOUR ALASKA GOODBYE 」アラスカよさようなら・・・・
今回発射されたのはICBM大陸間弾道弾で、キム委員長は、アメリカへのバースデープレゼントと言っていたそうですが、アラスカにまで到達する能力があるかもしれない。さらに、近い将来核弾頭も搭載できる可能性がある。これまでは、まだアメリカには届かない、届くまではまだしばらくかかると言われていたのに。これはカリフォルニアに届く日も近いのでは?と、アメリカ人はショックを隠せません。
ただし、これ以前もお伝えしたかもしれませんが、韓国や日本などはこれまでもずっとこの脅威にさらされて来たわけで、今年になって一連のミサイル発射で、アメリカ人も状況がかなりわかってきていますから、逆に冷静に受け止めているように思います。
ニューヨークタイムスなどの高級紙も冷静な報道です。実際にアメリカに届く核ミサイル開発までには年数を要すると言われていますが、ただ残念なことにトランプ大統領が打てる「良い手」はほとんどない、国の存続をかけて必死な北朝鮮の、核開発を止めることは非常に難しいだろう、出来ることは、さらなる経済制裁、または中国からの圧力、しかしそれも 効果があるかわからないと悲観的です。
また限定的な軍事行動も、多くの犠牲者を出す恐れが強く、核戦争に発展する可能性もあるので、とにかく今は自制すべき。タイムスの社説では、アメリカは中国に頼らず北朝鮮と直接交渉すべきと主張しています。
そして、明後日金曜日からドイツで始まるG20で、トランプ大統領が国際社会、特に中国に対しどう働きかけるのか、ロシアのプーチン大統領との会談で、ちゃんと話ができるのか?ルーキー・トランプ大統領に何とかうまくやってほしいと、アメリカ人は祈っています。
正直アメリカ人はもう戦争をしたくないんです。911からこれまでずっと戦争を続けて来て、軍事費のために教育費などの重要な予算がカットされるなど、国内への影響も靭く感じています。でもだったらどうすればいいのか? 軍事大国の悩みは深まるばかりです。
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