(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、木曜日の担当はトム・リーさんです。)
7月6日(木)放送
トランプ大統領は明日からのG20サミットのために、先ほどドイツに到着。
先週までとは打って変わって、アメリカのトランプ報道はシリアスなトーンに。勢いのいいツイートも影を潜めている。というのも、火曜日のアメリカ独立記念日に、北朝鮮から送られたバースデープレゼント=ICBMの発射実験今回のはついにアメリカ本土のアラスカに届くかも?近い将来核兵器も搭載できるかも?
これに対してアメリカはどう反応するのか?これがなかなかハッキリしたことはわからない。またいつものごとく、ヘイリー国連大使とトランプ大統領の発言にも距離がある。
ヘイリー国連大使のコメント:各国が足並みをそろえてまず厳しい経済制裁などの外交で解決すべき。やむを得ない場合は軍事力を使う準備をしている。
でも今日のトランプ大統領のコメント:(ポーランド大統領との記者会見)
“We have some pretty severe things we’re thinking about, but I don’t want to do them,”
“I don’t draw red lines.”
「厳しい措置を考えているが、それをしたくはない。」・・・じゃあ厳しい措置って何?
「レッドラインは引かない」・・・つまり、その厳しい措置を取るのはいつ、どんな理由かもわからない。
相変わらず曖昧 、でもいつもの強い姿勢とは少し違っていて、逆に事態の深刻さを感じてしまう・・
しかし、そう簡単には攻撃はできないだろうというのが 世論の主流。限定的な攻撃であっても、報復された時に想定される被害が大きすぎる、それを防ぐことは非常に難しい。
あくまで厳しい経済制裁、北朝鮮を援助する第3国も含めて、 というのは、北朝鮮への経済援助の9割を担うと言われている中国。同時に中国にプレッシャーをかけて、北朝鮮に働きかけてもらう作戦。それがアメリカに有利に運べば、直接交渉もあり得るかも・・・・ただそううまくいくのか?という悲観的な見方も強い。
そうこうしているうちに、 G20が始まる。
トランプ大統領はロシアのプーチン大統領との会談を控えている、これが大問題。
大統領が何を言うのか、注意したいポイントはここです。
アメリカの諜報部は、ロシアが去年の大統領選に介入したと言っている。
しかしトランプ大統領は今日も「それはわからない」と発言、つまり自分の諜報機関を否定している。
なぜそう食い違うのか?
その理由は、トランプ大統領は、自分の支持者に対して話しかけているからではないか?(また、ツイートしないということは、自分の支持者にとってはどうでもいいことだから。)
今回この件で、プーチン大統領に面と向かってはっきりクギをさせるかどうかが大きな注目ポイント。
なぜなら、これをはっきり言えないということは、アメリカが一枚岩になっていないことの証明になってしまう。プーチン大統領になめられる。と言うことは北朝鮮問題にしても、ウクライナ問題にしても先手を取られてしまうかも。
プーチン大統領が欲しがっているのはただ一つ。ウクライナ問題に対するアメリカの経済制裁の解除。
これをトランプ大統領が与えてしまったら・・・
これに限らず、この会談で何をどう話すかで、アメリカ、ロシア、そしてヨーロッパの力関係は大きく変わってしまう。それほど重要な会談だということです。
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