（JFN系全国ネット　ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。）

７月２４日（月）放送

トランプ大統領は先週で就任６カ月を迎えました。・・・まだ６ヶ月、というのは多くのニューヨーカーの実感です。

とにかく半年間毎日がトランプデー、特にここ２週間はほぼロシア・スキャンダル一色。
トランプ陣営が選挙運動中、ロシアと結託して、選挙結果を操作しようとしていた疑いです。
それにしてもニュースが多すぎでアメリカ人もついていけていません。

およそ２週間前に、息子トランプ・ジュニアが衝撃的なツイート。「２０１６年の選挙運動中、ロシアの弁護士が、ヒラリーに不利な情報を持っているというので会うことにした。」
この弁護士がロシア政府と関連していた、そして弁護士以外にもロシアのロビイストやら、トランプ娘婿ジャレド・クシュナーや当時の選対議長も参加していて、怪しい匂いがプンプン。
さらに現司法長官も、選挙運動中にロシア大使と新政権について話していたらしい。
またトランプ大統領自身が、ロシアのマネーロンダリングで悪名高いドイツ銀行に大量の借金がある。
また娘婿は不動産の売買でそのマネーロンダリングに関与した疑いがある。
わけがわからないけれど、とにかくどうも怪しい。

それを、ムーラー特別検察官がまとめて捜査しているらしい。
捜査はトランプ大統領にとってのレッドラインを超える可能性がある。
そうなると、トランプはムーラー検察官をクビにするのではないか？
かと思えば、大統領の弁護士が、大統領が関係者を全員恩赦にできるかどうかを調べているらしい。大統領が自分自身を恩赦にできるのかどうかも含めて・・・・

そんな中で、今注目したいのは、今週行われる息子、娘婿らの議会での証言ではありません。
何だかんだとコロコロ変わる発言よりも、お金の流れを見た方がいい。

今週に関しては、下院を通過するとみられる、ロシアに対する新たな経済制裁法案です。
大統領選への介入、そしてクリミア侵攻に対する一層厳しい経済制裁です。

実はロシアが大統領選に介入していたその最大の理由は、
新政権には、これまでの厳しい経済制裁の解除をしてほしかったからと言われています。

経済制裁がなくなれば、アメリカの企業は自由にロシアに投資できるようになる、例えばエネルギー産業は北極海に眠っている大量の原油を開発できる。プーチン大統領はますますお金持ちになるだけでなく、これでもうかる人がトランプ大統領の周りにもたくさんいると考えられています。

あ、言い忘れましたが、トランプ大統領はG20で、ロシアのプーチン大統領と長時間会談した上に、非公式にプライベートでも会話していました。これは、経済制裁に関してではなかったのかと憶測されています。

トランプ大統領はプーチン大統領と仲良くしたい、というサインは見え見えですが、そのためには経済制裁の緩和が不可欠というわけです。

では大統領はこの新経済制裁を支持するのか、もし支持しない場合、万が一、拒否権を発動するようなことがあれば、火に油を注ぐことになります。

経済制裁も含め、ロシアスキャンダルは結局はお金の問題と考えられている。投資とか借金とか不動産の売買とか、トランプファミリーがロシアとお金でつながっているのは明らかと言っていい。

そのへんはトランプ大統領の確定申告書を見れば全部わかってしまうわけなんですが・・・
何が何でも公開しない。
やましいところがないなら、さっさと公開すればいいのに。捜査も黙ってやらせておけばいいのに、
でもいちいち反論のツイートを連発しているのはトランプ大統領自身、「やはり何かやましいところがある。やっぱり共謀したのでは？」と思われても仕方ないんですよね。

JFN系最大36局ネット（時間帯・曜日により若干変更有）２６時８分くらいから

ネット局：青森、岩手、秋田、仙台、山形、福島、群馬、栃木、東京、静岡、愛知、新潟、長野、富山、石川、福井、岐阜、三重、滋賀、大阪、神戸、山陰、岡山、広島、山口、香川、徳島、高知、愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄