(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、火曜日の担当はアーティストのDディーさんです。)
8月1日(火)放送
今日から8月・・・まだこれから8月? というくらい、ニューヨークもこの夏は本当に暑い!
これは全米、いや世界的なレベルかも。
少し前にはアリゾナで高温のために飛行機が飛べなくなった。
マイアミでは史上最高に暑い7月と発表され、オーストラリアも同じだそう。
そして数日前のニューヨークタイムスには、
「夏が暑くなっているというのは気のせいではない」という記事が。
ニューヨークは緯度が青森と同じくらいで、80年代くらいまでは夏はそれほど暑くなかった。
ところが2005年〜2015年の10年間の統計で、異常に暑い夏が激増したことがわかった・・・
そんな中で、トランプ大統領のパリ協定離脱はニューヨーカーにとっても大きな衝撃。
そこで、国がダメなら市でやろう、という試み。実は今に始まった事ではありません。
アメリカの環境への取り組みは、むしろ市町村レベルの方が進んでいるのです。
先月ニューヨークでは、世界の100都市から「resilliance officer 復元力担当官」が集まってのサミットも開かれました。一致団結して環境対策に取り組もうというものです。
では具体的にニューヨーク市は何をやっているのかというと、2050年までに温室効果ガスの排出の8割をカットするという、大変高い目標を立てている。
ターゲットの一つはニューヨークに密集するビルの群れ。
ほとんどが古い。中には築100年も珍しくないビルの、ボイラーやセントラルヒーティングに使われている灯油を徐々にクリーンなものに変えている、第1期はほぼ100%目標達成しました。
また建物の屋根を黒から白に塗り替えている。全部塗り替えれば市内の気温が1度下がるという数字もあるほど、こんな小さなことでも大きなインパクトがあるのが驚き。
また市の公用車はどんどん電気自動車に変わっている。さらに2025年までに市内で販売される車の2割は電気自動車になる。
その電気を作る方法も、再生可能なエネルギーへの切り替えが進んでいる。
ニューヨーク州では、現在再生可能なエネルギーは、水力が25%、ソーラーと風力で5%。
それを2030年までに50%まで増やすことを目指している。
こうした地道な努力で、ニューヨーク州の一人当たりの二酸化炭素ガスの排出量は、全米でも最低から数えて2位。意外に優秀なんです。
一方で、今のところ、アメリカ人は暑いのを我慢してまで、エアコンの温度を上げて省エネしようという考え方がない。(市庁舎は25度、オフィスは21〜23度がガイドライン。)
むしろ省エネというよりは、「電気代をどれだけ安くできるか」と言った方が乗ってくる。
ただし、 再生可能ネエルギーはまだ高い。それを安くするための方策も考えられている。
つい昨日のニュースで、アルファフベット(グーグル親会社)が、塩を使って、再生可能エネルギーの余剰電力を貯蔵するシステムを開発していると報道されました。こうした再生可能なエネルギー産業の発展で、新たな投資や雇用を生み出すという部分にも大きな期待がかかっています。
こうした、あくまで利益追求型のアプローチでどこまでいけるか、世界第2位の温室効果ガス排出国アメリカ、これからが頑張りどころだと思います!
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