(JFNのラジオ番組Day By Dayにレポートした内容を再構成しています)
今朝のニューヨークのローカル新聞NY Daily Newsの1面、
タブロイド誌なので、左に金正恩、右にトランプの巨大な顔、その真ん中に火の玉、そして見出しは巨大な文字で、「Armageddon!アルマゲドン」
実はこれダジャレなんです。アルマゲドンのドンはDONで、ドナルドのドン。
なんでこんな見出しかというと、
昨日トランプ大統領が北朝鮮に対して、ものすごい強い言葉で警告したから。
「北朝鮮がこれ以上アメリカを脅すなら、世界が見たことのない火力と怒りに直面するだろう」
ニュースの日本語だと大したことないんですが、
「 FIRE AND FURYニュアンス的には、紅蓮の炎と猛威にさらされるだろう」
金正恩のお株を奪ってしまっている!とアメリカ人はびっくり。
あまりに衝撃的で、その直後に株価が急落したほど。
もうトランプ大統領の発言は相手にしないほうがいいという風潮が高まり、こういうダジャレでガス抜きしようとするメディアもある。でも一方で、この発言が状況をエスカレートさせる危機感も強まっている。
一体何が起こっているのか、お伝えできる限りの情報をレポートします。
ことの起こりは昨日、ワシントンポスト紙に突然、アメリカ諜報部の情報がリークされました。
「実は、北朝鮮はアメリカに到達可能な核兵器を作ることがすでに可能になっていた」
「何それ、またトランプ大統領の支持率が下がったから、国民を不安にさせて正義のヒーローにでもなろうとしてるんじゃないの?」という憶測も飛んだ直後、トランプ大統領が突然会合の席で発言。
「北朝鮮がこれ以上アメリカを脅すなら、 紅蓮の炎と猛威にさらされるだろう」
これには政権の閣僚も含めアメリカ人全員ギョッ!
そして、「ここまでくると大統領たるものの発言ではない」と批判が噴出。
閣僚は尻拭いに必死。
ティラーソン国務長官は世界に向けて「戦争はないから安心して寝てください」と
必死にメッセージを送っているのに、トランプ大統領はまた好戦的なツイート。
「アメリカの核戦力はこれまでどの時期よりはるかに強力だ」
いや、それはちょっと違う。
アメリカだって核軍縮しているから、ピーク時には3万個以上あった核弾頭の数は6800個に減りました。まだそんなにあるのかと驚きますが、(ちなみにロシアは7000個)北朝鮮は20個とか60個とか・・・?
そんなに差がある小さな国からの脅威に、なぜ突然そこまで大騒ぎするのかという批判も大きくなっています。
しかもこの発言、折しも長崎の原爆の日とも重なり、歴史も知らずレスペクトもないという、怒りの声も上がりました。
そして北朝鮮はこの発言に対し、グアム近海にミサイルを発射すると応酬。
同時にこんな言い方でトランプ大統領を嘲笑っています。
「ゴルフ三昧の大統領が、また炎だの怒りだのとナンセンスな発言をしている。事の深刻さを全くわかっていない。」まさにその通り!と多くのアメリカ人も同意してしまう始末。北朝鮮の方がよほど冷静だということがわかり、少しホッとしたような?
自ら招いたと言っていいこの苦境から一体どうやって抜け出すのか?まずはとにかく外交で解決、対話を始める口実を作ること。それとトランプ大統領に発言させないこと・・・どちらも不安です。
Day By Day(JFN系全国19局ネット)青森・岩手・秋田・山形・栃木・長野・福井・岐阜・滋賀・山陰・岡山・山口・徳島・高知・香川・大分・佐賀・長崎・鹿児島
http://park.gsj.mobi/program/show/27306