（JFN系全国ネット　ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、火曜日の担当はアーティストのDディーさんです。）

８月１５日（火）

２年間にもわたりセクハラ裁判で戦っていたテイラー・スイフトがついに勝訴しました。

民事裁判ですが、元々訴えたのはテイラー・スイフトではありません。
２０１３年、コンサート会場で、ファンや関係者と交流会をしていた時、地元ラジオDJ、デビッド・ミューラーと記念写真を撮った。その時、彼がテイラーのお尻の後ろに手を回して、スカートの下からお尻を握った。（その時の写真もあるが、DJの手がどうも怪しい）

でもファンが回りにいたので笑顔で乗り切ったテイラーは、お母さんとマネージャーに報告。
表沙汰にはしたくなかったテイラー側は、ラジオ局に連絡して抗議、ラジオ局は検討した結果、そのDJをクビに。

ところが２０１５年になって突然、そのDJがテイラーを訴えたんです。テイラーが嘘の報告をしたおかげで、職を失ったと３億円の損害賠償を求めた。テイラー側はそれに対して、セクハラを受けたのはこちらなのに！と逆訴訟を起こし、ついに先週法廷でテイラーが証言することになりました。

コロラド州デンバーの裁判所にはファンが大挙して押し寄せ大騒ぎに。ラジオDJの弁護士が「触ったのは手と肋骨だけ」と証言すれば、「いや、スカートの下の裸のお尻を掴まれた」とテイラーはキッパリ 。

さらに、他の関係者の証言に加え、ラジオDJが解雇される前に、事件について聞かれた時のテープを、パソコンが壊れたことを理由に破棄した 、証拠隠滅の疑いなどでテイラーが有利になりました。

まず彼の訴えが棄却され、続いてテイラーがセクハラされたことが証明され勝訴。負けたDJはテイラーに $1を支払う。そう、テイラーはたったの$1のために逆訴訟していたんです。お金のためでないということをハッキリさせるためでもあります。

最初は穏便に済ませようと思ったセクハラ事件なのに、自ら法廷で証言しようと決めた理由は、
「名声がある女性として、他の多くの女性たちの力になりたかった」から。

アメリカでは毎年１２歳以上の女性約３２万人が、レイプなど性犯罪の犠牲になっている。でもその６割は通報されない。特に相手が地位や名声がある白人男性の場合、どうしても彼らが正しいと見られる傾向があります。

そういえば、トランプ大統領が大統領選の前に、「自分は有名だから、女性に何をしても許される」と豪語したテープが出てきて、大騒ぎになったのを思い出しますが、彼女はそういう事も含めて、この訴訟に勝ちたかったんだと思います。

勝訴の後テイラーはこうコメント。「自分はお金もあるから、多くの人の助けもあって４年間にも渡るトラブルを乗り越えることができた。でも、そうでない多くの女性たちの声ももっとちゃんと聞かれるべき。そのために、今後はそういう女性をサポートする団体に寄付します。」

ちなみにテイラーは、最もチャリティー活動するセレブの一人、ルイジアナの水害復旧に１億円寄付したりという社会的なものばかりでなく、ファンの病気の治療費や、お葬式代を出してあげたり、同じようにセクハラ訴訟で苦労しているシンガーKeshaの、３０００万円近い弁護士費用を払ってあげたりしている。Welcom To New Yorkという曲は、彼女がニューヨークに引っ越して、観光アンバサダーになった時の曲ですが、この売り上げから５００万円をニューヨーク市の教育局に寄付しています。

テイラーを大統領に！？　なんて意見も出ている今日このごろです。実際トランプ大統領が誕生して以来、カニエ・ウェストやThe Rock (デュウェイン・ジョンソン）が出馬を考えているなんていう話が出るくらいなので、驚くほどのことではないんですけどね。

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