(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)
9月11日(月)
アメリカは大変な週明けになりました。まずフロリダに上陸したハリケーン・イルマ。
2週間前に、ハリケーン・ハービーがテキサスにアメリカの記録を塗り替える大雨を降らせたとレポートしたばかりですが、今度のハリケーン・イルマはアメリカ史上最強のカテゴリー5のモンスター・ハリケーンで、瞬間最大風速80メートルという信じられない風でカリブ海の島を次々に直撃、セント・マーティンと言うリゾート地の島は9割が壊滅。
これがフロリダ州を直撃する直前、実に630万世帯、州の人口の3分の1が避難命令を受けました。残っている人から911の緊急通報があっても、警察も消防も出動しませんと言い渡されたとのことです。
今はフロリダからサウス・カロライナ、ジョージアに向かっているイルマ、未だ被害の全容はわかっていませんが、これまでにフロリダだけで5人が死亡、未だ600万世帯で停電しています。
そして今日は9月11日、9/11同時多発テロから16年が経ちました。
ニューヨークのグラウンドゼロ、復興したワールドトレードセンターでは、今年も今から4時間ほど前、1機目の飛行機がノースタワーに突っ込んだ8時46分、黙祷が捧げられ、犠牲者の名前が読み上げられました。ワシントンDC、ホワイトハウスでも黙祷が捧げられ、トランプ大統領とメラニア夫人が黙祷する姿も報道されました。トランプ氏にとっては初めての911となったわけです。
16年もの歳月が過ぎて、もう当時を知らない若者も増えている中、私たちニューヨーカーにとってはおそらく一生忘れられない日です。そして犠牲になった方々を追悼するだけでなく、あの日からアメリカ、そして世界がどう変わったかを振り返ることは、これからの世界を考える時にとても重要です。
アメリカだけとってみても、あの日からニューノーマル、つまりテロ警戒というのが日常になった。逆に、あれほどの多くの犠牲を出すテロは16年間起きていない。かわりに、銃乱射や手作りの爆発物、そして車を凶器にしたテロが頻発するようになった。
そしてアメリカはアフガニスタンで報復攻撃、そしてイラク戦争も始め、あれ以来ずっと戦争を続けている。その連鎖でタリバンとアルケイダがイスラム国に取って替わられました。
そしてこの戦いの相手を「イスラム教徒」と初めて開き直って名指ししているのが、トランプ政権。イスラム教国家の国民に対し入国制限が行うという強硬な姿勢は、世界中のイスラム教徒弾圧にも影響を与えている。それがさらなるテロの温床になっているし、人種問題にも発展している。
そしてそこにいきなり浮上してきたワイルドカードが北朝鮮の核問題。キム・ジョンウンは 911後にアラブの独裁者に起こった事、「核を持たない独裁者はことごとくつぶされた」という史実から確実に学んでいるからこそ、こういう強い姿勢でアメリカに立ち向かっているのはまず間違いありません。
JFN系最大36局ネット(時間帯・曜日により若干変更有)26時8分くらいから
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