(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)
10月2日(月)
私たちニューヨーカー、今朝目覚めて恐ろしいニュースに震撼としました。
ラスベガスで現地時間の日曜夜に起こった銃乱射事件。少なくとも58人が亡くなり、5百人以上が怪我、アメリカ史上最悪の銃乱射事件となってしまいました。
アメリカのネットワーク局は早朝から特別報道番組を組んで経過を報道し続けています。犠牲者もこれから増えるかもしれない。そして時間が経つにつれて、事件の謎も深まっています。
事件が起こったのはラスベガスのストリップと呼ばれるメインストリート。ここに面した屋外のコンサート会場では、カントリーミュージックのフェスティバルが開かれていて、2万人以上が集まって盛り上がっていました。ところが夜の10時過ぎ、突然銃の乱射が始まったんです。
目撃者は口々に、最初は何が起きたかわからなかったと言っています。それもそのはずで、犯人は道を隔てた高層ホテルの32階の部屋から銃を乱射していた。
4分間以上にわたり 、数百発が発射されたとのこと。犯人はスワットチーム突入前に自殺していたと報道されています。
名前は、スティーブン・パドック64歳、地元ネバダ州に住む白人男性。引退してラスベガス郊外のお年寄りのコミュニティに住んでいたそう。リタイア前には税理士として仕事をしていた。前科はなし。どう見ても普通の人。
でもそれ以上はパイロットの免許を持っていた、ギャンブルとカントリーミュージックが好きだった・・・というくらいで、詳しい情報はわからない。
しかし彼が持っていた武器、Automatic rifle自動小銃を10丁以上がホテルの部屋にあった と伝えられています。一体これだけの武器をどうやって手に入れたのか? これも謎。
警察では、他のテロ集団との関係や、共犯者がいないかを調べています。(ISISイスラム国が犯行声明を出したという情報もありますが当局は否定しています。)
さらにお父さんが1960年代に銀行強盗をして、脱獄犯だったという情報も出ていますが、それが今回の銃撃とどう関連しているのかは謎。
そして最大の謎は、その動機。
動機が想像がつかない・・・人種とか宗教、性的マイノリティを狙っているわけでなはない・・・しかも本人がカントリーファンなのにカントリーのコンサートを狙った。一体なぜ????
でも銃の入手からホテルの部屋の選び方まで、緻密に計画された犯行・・・これからの捜査結果を、皆が待ちかねている。
そして最悪なのは、原因がわからなければ「防ぎようがない」ということ。
アメリカではマス・シューティングと言われる銃の事件が、今年になって273件も起きている。(4人以上が無差別に殺される銃撃事件)起こるたびに、全く逆の2つの反応がある。
1つは、アメリカ社会に溢れる銃をなんとかして規制しなければという声。(アメリカに銃が3億丁以上あると言われている)
逆に、もっと武装して自分の身を守らなければならないという声も高まる一方です。でも今回のように空から撃たれたら、どうやって撃ち返すのでしょうか?
理由もわからないのに銃で撃たれるかもしれない、恐ろしさと同時にこれが日常化して当たり前のようになりつつもあるという異常さ。恐怖にマヒしていく感覚と同時に、「もうどうしようもないのだろうか?」という無力感が募っていく感じが否めません。
今はただ犠牲になった方々に心からお悔やみを申し上げると共に、そして怪我をされた方々が1日も早く回復されるよう祈るばかりです。
JFN系最大36局ネット(時間帯・曜日により若干変更有)26時8分くらいから
ネット局:青森、岩手、秋田、仙台、山形、福島、群馬、栃木、東京、静岡、愛知、新潟、長野、富山、石川、福井、岐阜、三重、滋賀、大阪、神戸、山陰、岡山、広島、山口、香川、徳島、高知、愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄