(JFNのラジオ番組Day By Dayにレポートした内容を再構成しています。メインパーソナリティは桑原りささんです。)
Autumn In New York、ニューヨークはもう初冬な感じ、セントラルパークの紅葉が落ち葉になりつつあります。
そんな中でまた話題のアート展覧会が始まりました。テーマは「ルイ・ヴィトン」
ルイ・ヴィトンの展覧会、世界中を回っていて去年の春東京にも行っているので見た人もいるかもしれませんが、ニューヨークの展示はまた一味違う。会場がウォールストリートの元証券取引所、築100年の歴史的建造物。ルイ・ヴィトン163年の歴史に、これ以上ないふさわしい場所。
期待以上の素晴らしいものでした・・・実はあまり期待してなかったんです、いくら世界のルイ・ヴィトンとはいえ、1ブランドが自らやっている展覧会だから、というのもあるし、入場料が無料だったから。
入り口は割とシンプル、ところがロビーに入ると、いきなりプロジェクション・マッピングの地下鉄が走ってくる。ニューヨーク、ルイ・ヴィトン駅になっているんです。
そして最初の展示室で早速ノックアウト!
ルイ・ヴィトンと言えば、巨大なトランク。ドレスを吊るしたまま入れられて、引き出しがたくさん付いているあれ。タイタニックの映画で大富豪が持って乗り込むのが印象的でした。
当時の豪華な船の旅に必要な、画期的なトランクを続々と打ち出して、これがルイ・ヴィトンの最初の大ブレイクになったんですね。それが部屋中にずらり!
しかもそのエピソードが素晴らしい。ルイはフランスの片田舎の村に生まれたが、成功を夢見て15歳の時一人で家を出て、パリに向けて徒歩で出発、2年かかってパリにたどり着き、運送用の箱を作るファクトリーに弟子入り。そこで修行してやがて起業・・・だから箱=トランクだったんですね!
アメリカンドリームならぬフレンチドリーム!ルイ・ヴィトンなんて高すぎて買えない私の心をぐっと掴んでしまった!
そして展示はトランクやカバンだけでなく、それが使われた交通機関の発展と綴れ織りのように展開。
最初は船、吹き抜けるほど高い天井の展示室にはヨットの帆が張られ、デッキの向こうには海のパノラマが。そこにトランクと、1920年代当時画期的だったキャンバスのバッグ、スチーマー・バッグが並び、まるでその世界に入ってしまったよう。
反対側を見ると砂漠が広がり、探検時代に使われた銅でできたトランクなどが並んでいて圧巻です。
続く長細い部屋には豪華列車が再現され、窓にはヨーロッパの景色が流れていきます。
次の部屋には天井近くの壁から突き出した飛行機のプロペラの上にバッグ・・・
時代のニーズと共に形を変えて発展してきたカバンやバッグ、小物、そしてハリウッドスターが着たドレス・・・・
さらに見応えがあるのは、お店では絶対見られない手書きの設計図。そして当時のポスターや雑誌までが後から後から・・・
フランスの片田舎から歩いてパリに出てきた15歳の少年が、世界の最も豪華な乗り物の旅を演出してきたという、そのギャップというか、ドラマというか。壮大な歴史絵巻の中に迷い込んだような気持ちになる展覧会でした。
2017年1月7日まで
VOLEZ, VOGUEZ, VOYAGEZ
86 TRINITY PLACE
NEW YORK, NY 10006
http://us.louisvuitton.com/eng-us/heritage-savoir-faire/nycvvv#infos
Day By Day(JFN系全国19局ネット)青森・岩手・秋田・山形・栃木・長野・福井・岐阜・滋賀・山陰・岡山・山口・徳島・高知・香川・大分・佐賀・長崎・鹿児島
http://park.gsj.mobi/program/show/27306