(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)
11-27
まず最初にお断りしておきたいんですが、今日の主役はトランプ大統領ではありません。
でも皆さんの来年のくらしには関係がある話です。
なぜなら、今日はCyber Mondayだから。
日本でも歳末商戦が始まったと思いますが、アメリカのショッピングシーズンは度を越しています。
少し前に「爆買い」という言葉がありましたが、アメリカ人はこの時期まさに爆買い。でCyber Mondayというのはネットで爆買いの日。どうやら今日1日のネットの売り上げは、アメリカ史上最高を記録しそう。
普通のニュースではここまでだと思いますが、なぜ今日がそういう日なのか、仕掛けの話をしたいと思います。で、その仕掛けを知ることが、アメリカ人の生態を知るカギであり、その結果、「来年のアメリカの景気は今日決まる」と言ってもいいくらい重要な日だから。
まず、先週木曜日アメリカはThanksgiving Day 感謝祭でした。クリスマスのちょうど1ヶ月前にやってくるこのホリデー11月の最後の木曜日と決まっていて、4連休になります。この日はこの日でお盆と正月が一緒に来たような日。つまり全米に散らばるアメリカ人が里帰りして、家族、親戚と食卓を囲みターキーの丸焼きなどの巨大なディナーを食べる日だから。
この日がクリスマスまで1ヶ月続くいわゆるホリデーシーズンのキックオフということになります。でも、経済ということで考えると、もっと重要なのはその翌日金曜日。Black Friday。
Black Friday それまで赤字だった帳簿が黒字に変わる、というというのでBlack Friday。大型店などは朝の4時、5時からお店をオープン。中には前日木曜日の夕方6時から24時間オープンしっぱなしのデパートも。つまり大セールの日。
実は、お店の人出は去年とあまり変わりませんでした。ところが逆に記録的に伸びたのは、ネットでの売り上げ。去年に比べ16%以上の大幅な伸び。外に買い物に行かない人が、家でダラッとしながらスマホで買いまりをしたわけです。
これは非常に重要で、この日の売り上げが、クリスマスまで1ヶ月続く商戦を占う。このクリスマス商戦は非常に重要で、業種によっては1年の3分の1を売り上げる。こうなるとこの1ヶ月の消費が来年の消費景気を占うカギになる。
そしてもう一つ、重要な日があります。Black Fridayに続く重要な日が今日、Cyber Monday
そもそもCyber Monday というのは、かつてまだスマホがなかった時代、ホリデーが終わりオフィスに戻ってきて、デスクのパソコンで買い物したのが始まり。だからスマホ時代になって、それほど重要じゃなくなったかというと、逆。
オンラインのセールはBlack Friday以上の目玉アイテム&値引きで、1日の売り上げ見込みは、歴史的な$6.6 Billion (約7000億円)
これが意味するものは?→今年のクリスマス商戦は明るい→来年のアメリカ経済は明るい!・・・世界の消費ナンバーワンのアメリカの来年が明るいということは 世界経済も明るい?
リーマンショック以来ゆっくりゆっくり回復してきたアメリカの景気に、ようやく希望が見えてきた。これまで失業率が下がって株価が上がり続けても、給与の上昇だけがインフレ率に追いつかなかったのが、ようやく変わるかもという期待感、さらに現在議会で審議中の税制改革にも期待が持たれているからです。
そんなわけで、全てがトランプ大統領のおかげ、とは言えないが、逆に悪い影響も出ていないということになります。
JFN系最大36局ネット(時間帯・曜日により若干変更有)26時8分くらいから
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