Happy Holidays! トランプ大統領ついにやりました!就任以来最大にして、歴史的な法案が成立。
およそ30年ぶりの税制改革法案=歴史的大幅減税です。昨日成立し、直後の集会では久々に満面の笑みが。
クリスマス直前に滑り込み成立、トランプ大統領は「国民へのクリスマスプレゼント」と言っていますが、これは相当異例、いや異常な改革案。ニューヨークタイムスなどのリベラル・メディアが言うように、もしかすると国を挙げての大ギャンブルかもしれません。
その理由をお話ししましょう。
まず法人税を35%から21%に大幅にカット。
これによって企業の競争力が高まり、賃金も上がり、消費が伸びて経済が拡大する(アメリカでは株価が急上昇してインフレもしているが、賃金だけは上がっていない)とトランプ大統領は言っているが、経済の専門家は懐疑的な意見が多い。
富裕層の税金もかなり下がる。中間層も年収7万5千ドル(850万円 )以上なら下がる。では年収7万5千ドル以下の庶民はどうなるのか、これがよくわからない。最初はちょっと下がるらしいが、向こう10年間にまた上がる、または州によっては上がる人もいる・・・どうもよくわからない。
この減税で10年間で$1.4 Trillion 160兆円の財政赤字が発生するとみられている。トランプ大統領は経済成長で相殺されると 言っているが、それはいくら何でも無理と、反対派だけでなく賛成派も認めている。
また、財政赤字を理由に社会保障費や公共事業費 などが減らしに来るというのが大方の予想。結果としてアメリカの貧富の差がますます開くのではないかいう懸念が。
もう一つの懸念は、税制改革の結果、医療保険料の負担が上がるかもしれないこと。改革案の中でオバマケアの重要な1項目が削られた。国民皆保険を目指すオバマケアは、保険に入らない人は年間$100(約1万円)の罰金を払うことになっている。そうしないと健康な若者は月2〜300ドルという安くない保険料を払って加入するのを避ける、そうすると保険システム自体が成り立たないから。今回はその罰金を廃止したため、保険加入者が激減すると予想され、加入者の保険料は上がると考えられている。
わからないことや懸念が多い理由は、歴史的なアメリカ経済や社会が大改変するかもしれない税制法案が提案されたのは11月の初めで、それから超スピード可決されたから。その間、重要法案にはつきものの公聴会も1回もなかった。なぜそんなことができたのか? トランプ大統領の共和党が議会で多数派だから。
おかげで国民の間でも、歴代の重要法案で最も不人気。どの世論調査でも賛成派35%以下。(トランプ大統領の支持率とほぼ同じ)
これほど不人気な法案成立と施行をなぜそんなに急いでいるのか。その理由は・・・
税制改革は共和党の長年の悲願でもあった。
トランプ大統領は就任以来重要法案を1つも成立できていない。
大統領、共和党議員の資金源になっている企業・富裕層からの圧力があったと見られる。
トランプ大統領周りのロシアゲートの追求が日に日に激しくなっている。
さらに、異常の理由はもう一つ、成立から施行までの時間の短さ。普通は法案成立してから数ヶ月後、影響が大きいものは1年以上かけてゆっくり施行する。トランプ大統領は年明けから減税したかった。さすがにそれは間に合わず、どうやら給与明細に結果が現れるのは2月以降になると見られているが、その間税務関係、給与計算部門や会社は大忙し、混乱も予想。
さてはたして庶民の給与が上がり、雇用は増えるのか?
まず最初に恩恵を受ける大企業の中には、早速減税の還元をアピールするところも。通信大手のAT&Tとcomcastは、10万人の従業員に一人10万円の減税還元ボーナスを出すと発表。ウェルズファーゴ銀行は最低時給を上げ、地域に400億円を寄付。などなど・・・
他もこれに追随するのか?
しかし向こう10年間に企業が受ける恩恵は100兆円以上、このお金はちゃんと庶民や経済に還元される?
また、減税分の補填はどうする? トランプ大統領は社会保障を守ると言っている、
信じられる?
信じられない人が多いからギャンブルと言われているわけなんですけどね。