トランプ大統領の就任から1周年の1月20日そして21日、
Women’s March 女性の行進とネーミングされた、アンチトランプの抗議行動が行われました。
去年は就任式の翌日に、世界で400万人を集めアメリカとしては史上最大規模の抗議行動になしましたが、2回目の今年は全米そして世界の250都市で同時開催されました。
まだ全体の数はわかりませんが、ニューヨークでは20万人以上、シカゴ30万人、ロサンゼルスで60万人。女性へのセクハラ撲滅を目指す#Metoo, #timesup ムーブメントの震源地であるハリウッドがあるロスでは、ナタリー・ポートマンなどハリウッドセレブも多くスピーチして最初から華やかな雰囲気。


私もニューヨークで去年に続き参加しました。抗議行動というと、怒りの拳を上げてデモ行進というイメージかもしれませんが、かなりイメージと違うはず。
すごく和気藹々として「トランプを弾劾せよ!」とか「アメリカを恥ずかしくない国に戻そう!」とかプラカードがなければ、パレードかな?と思うくらい。




例えばパレードの出発点近くのセントラルパーク・ウェストでは、スピーカーからレゲエやダンスミュージックがガンガン流れて雰囲気を盛り上げ。
シュプレヒコールも「Donald Trump is got to go, hey hey ho ho ドナルド・トランプはやめるべき、ヘイヘイ・ホーホー」
途中トランプ・インターナショナルホテルの前では「New York hates you!ニューヨークはあんたが大っ嫌い」とこれはヤンキースの応援コールをもじったバージョンで、思わず口ずさんでしまう。
そしてデモの定番「Show me what’s the democracy looks like! This is what’s the democracy looks like
民主主義って何か見せて! これが民主主義よ!」
こういうコールも踊るようにリズムに乗って叫んでいる人が多かった。

そして去年もそうだったけれど、女性だけでなく、子供や男性もすごく多い。赤ちゃんからお年寄り、ベビーカーから車椅子まで。特に今年は子供がすごく目立った。学校のクラス単位で参加したところもあるそう。



「抗議行動は民主主義の重要な手段である」ということを教えるチャンスでもある。
実はこれはとても大事なポイントで、子供に教えているようで、大人もそれを再確認しているところがある。
というのは去年トランプ大統領の誕生は、アンチトランプ派(ほとんどのニューヨーカー)にとっては大ショックで皆落ち込んでいたから、このマーチでこれほどの人が同じ気持ちでいるというのを確認できて大きな希望になった。
それをきっかけに全米のあちらこちらで、たくさんの草の根運動が起こった。さらにそれが、先日もお伝えした女性や若者の政治参加につながって、去年の秋あたりから、各地の選挙でアンチトランプ派が勝ち始めている。1年前には「自分たちには何もできない」と不安でいっぱいだったのが、今は「 何かできるかも!」という気持ちになってきている。それを今年秋の中間選挙につなげていこうという意気込みが強まっている。そういう意味ではすごくパワーアップしたものになった。
女性も含め男も移民もあらゆる人の権利を一緒にセレブレート、楽しく抗議行動してそれを糧に頑張ろう!というこの世代ならではの政治運動。
そして今年もあのピンクの帽子、プシーハットもいっぱいに。
抗議行動なのにファッショナブル。だから敷居が下がってますます多くの人たちが政治運動に入ってくるという、まさに女性の年の始まりを感じさせる抗議行動でした。
私が個人的にとても感動したのは・・・
今アメリカは移民法で大揺れに揺れている。トランプ大統領は不法移民だけでなく、特に貧しい国からの有色人種の移民数を減らそうとしている。そういう中で多くのニューヨーカーが、
「私たちは元々全員移民だった!」というプラカードを持ち、
「私たちはあらゆる人をウェルカムする! 憎まない、恐れない!」というコールをしている。
私も日本から来た有色人種の移民ですから、その時本当に「ああニューヨークに住んでいてよかった」としみじみ嬉しくなりました。

