第7回東日本大震災追悼式:ニューヨークで被災者から教わったことTogether For 3.11 – 7th Annual Memorial in NYC

(この追悼式のことを、レギュラー番組でのJFNの全国ネットのOn The Planet 、同じくJFNの昼ワイドDay By Dayでレポートさせていただきました。皆様にご協力に感謝、そして聞いてくださった方々本当にありがとうございました。)

今日のニューヨークはブリザードでした。なかなか春が訪れないこの季節、今年もこの催しがありました。東日本大震災追悼式、今年は4日日曜日に行われました。もう7回忌です。

去年も番組で紹介させていただいたのですが、これは私も含めた ボランティアを中心に開催しているもので、コアメンバーはニューヨーク在住の日本人女性12人プラス男性1名。アーティストやデザイナー、ジャーナリストやビジネスウーマンなどのプロ集団で、それぞれのスキルを持ち寄って手弁当でやっています。

今年は7回目という事もあり、集まる人も減ってしまうのかと危惧していたところ、むしろ去年よりも少し多い440人もの人が集まってくれました。それでも被災地のために集められる募金もそんなにたくさんではありません。でも7年間、ある一つのことにこだわってやってきているんです。

(c)Masahiro Noguchi

ありがたいことに、ニューヨーク駐在の日本の大使も毎年参加してくださり、一緒に黙祷してくださいます。そして日本のメジャーなテレビや新聞も、ニューヨークということでほとんどが取材に来てくれます。ここがポイントで、私たちがこれをやっているという事を、メディアやSNSなどを通じて被災地(復興地)」に伝えたいというのが目的の一つです。というのは、私たちのメンバーの数人は震災直後から被災地でボランティアしたり、訪問コンサートしたりもしていますが、その時にみなさんがおっしゃっていたことが、私たちの心に強く残っているからです。

「年月が経って、忘れられて行くのが、一番つらい」

ニューヨークみたいな遠い場所からできる事は本当に少ないかもしれないけれど、「一緒に祈っているよ、忘れてないよ」というメッセージを出す事はできるんじゃないかと信じてやって来ているんです。

(c)Lisa Kato

おかげさまでこれまで毎年被災者の方々からビデオでメッセージをいただいたり、現地でボランティアしたアメリカ人の話を聞いたり、4年目くらいからはニューヨークまで来てスピーチしてくれる方も出て来ました。

今年は福島県立ふたば未来学園高校の12人の生徒さんが来てくれました。
この学校は震災後に設立された、これからの時代のリーダーになる人材を育てるという目的を持った高校だそうです。
スピーチしてくれた関根颯姫(さつき)さんは原発の避難地域から移り住んだ場所の学校でひどいいじめにあい、「放射性物質に汚染されていて汚い、帰れ」とまで言われ、自殺まで考えたと言います。

(c)Lisa Kato

それを乗り越えて福島に戻った颯姫さんは高校で演劇部に入り、いじめとか差別をテーマにした脚本を自分で書いて上演している。そして颯姫さんはこう言うんです。

「いじめなどこの経験のおかげで成長でき、世界中の難民とか、差別を受けて苦しんでいる人の気持ちがわかるようになった、そう言う人たちを笑顔にして行くのがこれからの夢」

あんなに幼くて(当時9歳)あそこまで辛い思いをして、大人だってなかなか言えないことだと思います。

(c) Lisa Kato

もうひとりスピーチをしてくれた大友あかりさん。被災後に岩手で大学を卒業しニューヨークに移住したイラストレーター&グラフィックデザイナーで、故郷への思いをデザインに託して地元に貢献していらっしゃいます。その彼女が「常に残された時間を生きている」と知り、それを糧に頑張っているとおっしゃっていました。「ふるさとを”災害が起きる危険な場所”というマイナスなイメージではなく、そのような歴史から学んで来ていること、そして土地の持つ魅力を伝えていける活動をこれからも続けていきたいと考えています。」ともおっしゃっていました。

あの悲劇から7年、こういう子供達が大きく育っているという事を知って、私たちの方が言葉にできないほどの勇気と希望をもらいました。

そして今年はっきりわかったのは、支援しようとしている私たちの方が、被災地のみなさんから毎年実に色々なことを教わり、生きていくためのインスピレーションをもらっているということです。

あの日から7年、溢れる思いを抱えてニューヨークから祈りたいと思います。

素晴らしい合唱を聞かせてくれた「風の環少年少女合唱団」 {c)Lisa Kato

 

津波の到達地点に桜を植えることで、後世の人々を救いたいという気持ちで活動していらっしゃる、桜ライン311の岡本翔馬さんからのビデオメッセージ(c) Masahiro Noguchi

 

我らがリーダー、主催代表シンガーソングライターのAKさん(c)Lisa Kato

 

この活動を支えてくださっているボランティアそしてスポンサーのみなさん、一緒に歩いてくださっているフェローのメンバーたちにも心から感謝(c)Masahiro Noguchi

 

 

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