March for our lives 私たちの命のためのマーチと題されたデモ、アメリカの各都市を含む世界800カ所で同時に行われたと報道されています(東京でも小規模だが行われたと報告されています。)
最も大きかったのはワシントンDCで80万人が参加。ニューヨークでも15万人が参加したと報告。(ポール・マッカートニーも参加)
これまでに行われた銃規制に関する抗議行動の中でも最大。

ここで注目すべきポイントは3つあります。
まずこのデモ、元々2月14日に起こり17人の犠牲者を出したフロリダの高校の生徒たちの呼びかけで始まったこと。先日行われた全米の高校生による授業ボイコットと同じ流れです。
私はニューヨークで参加しましたが、前回の女性のマーチに比べてやはり中高生の姿が目立っていました。
彼が持っていたプラカード「Am I Next?」「We don’t wanna die in school」「School Zone is not a War Zone」そして「Arms are for hugging」なんていうのも・・・

そして全米が衝撃を受けたのは、 フロリダの高校生たちのDCでのスピーチ。特に女子生徒Emma Gonzalezさん、冒頭で17人の犠牲者の名前を呼んだ後、急に黙ってしまいました。そのまま四分以上の静寂、そして冒頭からちょうど6分20秒後で再開。この6分20秒というのは、銃撃犯が銃の乱射を続けた時間です。
「自分の命のために戦おう、他人にやってもらわわなければならなくなる前に」

この世代はGeneration Zと呼ばれ、彼らはネットやSNSを駆使して全米、さらに世界にネットワークを広げているだけでなく、政治参加が当たり前というか、かっこいいものにさえなっている。
さらにオバマ大統領の8年間に成長した彼ら、diversity and inclusion多様性の受け入れや decency 良識ある行動とかが最も重要な価値観になっているだけでなく、自分たちの世代が世の中を変えなければならないという意識がすごく高い。そして彼らは、7割のアメリカ人が銃規制を望んでいるのに、実現できないのは民主主義ではないと訴えている。

まだほとんどが選挙権を持っていないが、成長するとアメリカ最大の世代グループになる、大変なパワーを持つことになる。
彼らが声をあげたことで、大人たちが引っ張られ、もしかしたら今度こそ本当に銃規制ができるかもしれないという強い希望が生まれています。

そしてもう1つのポイント、
銃規制運動は反戦とも大きく関係がある。
若者たち、学校での銃撃だけでなく、 テロや戦争、警官による生き過ぎた暴力などが自分たちの未来を脅かしているという危機感がとても強い。特に東アジアがキナ臭くなっている今、これが反戦運動に直結していく可能性は高いんです。

最後のポイントは、の動きが多くの政治家を震撼とさせていること。銃規制に絶対反対のNRA全米ライフル協会は、政治家への巨額の寄付と強いプロパガンダで銃規制を阻んできた。しかし政治家もこの若者たちの動きを無視できなくなっている。銃規制にちゃんと取り組まないと、今年11月の中間選挙で負けるかもしれない。
そして、この中間選挙で現在は少数派の民主党が多数派を取り返すことにでもなれば、トランプ大統領はかなりの確率で弾劾されると見られている。

そういう意味でこの銃規制推進運度がどう展開するかで大きな変化に繋がる可能性があり、特に今年の11月にかけての動きは見逃せません。とにかくこれから政治家たちにどれだけプレッシャーをかけられるかが、銃規制実現への鍵となるはず。
いずれにせよこの国の未来は若者にかかっている。ネット時代の今、世界の若者ともつながって世界を変えるかもしれない。そんな若者に大人が学ぶ時代がやって来ているのだと思います。
