4-30-18
トランプ大統領にノーベル賞? という声が高まっています。
えー!?ありえない!?という人も多いと思いますが、まあ話を聞いてください。
先週金曜日世界に衝撃が走りました。北朝鮮キムジョンウンと韓国のムン大統領が手を繋いで軍事境界線を超えたから。70年間以上の敵対関係が溶けて、明日にでも南北統一しそうな雰囲気です。ベルリンの壁が崩れた時のようなことが起こるのでは?という期待も盛り上がっています。
でも朝鮮半島の統一はベルリンの壁のように突然には起こりません。先週もお伝えしたように期待するのはまだ早い、というのがアメリカだけでなく世界の論調だと思います。
まずこれで交渉の基調となるメッセージは出した。あくまで戦争でなく、「平和・協調を目指す」というメッセージです。
でも実際の交渉はこれから。平和がただの演出でなく、実際の平和につながるのか?
その交渉のバトンは、1ヶ月後?にキムジョンウンと会談する予定の、トランプ大統領に渡された形になっています。
そしてこのタイミングで、トランプ大統領に「ノーベル平和賞」という声が上がっています。
ここまで南北が歩み寄ったのは、トランプ大統領のおかげという声があるわけです。
土曜日の支持者の集会では「ノーベル・コール」まで飛び出しました。
さらにトランプ氏を批判しているメディアもある程度それを認めている論調です。
トランプ大統領とキムジョンウンは去年から激しい舌戦を繰り広げ、「FIRE & FURY(炎と怒り)」は、トランプ大統領を象徴とする言葉にまでなったほど。一方で同時に推進して来た厳しい経済制裁が効いて来ているのはという考え方です。
またお伝えしているように、アメリカの歴代大統領で北朝鮮のリーダーと直接会った人はいません。しかしトランプ大統領が3月に韓国特使に対し突然「じゃあ会いましょう」と言ったことも、この進展に繋がったという考え方です。
でも裏を返すと、南北が平和の演出大作戦に踏み切った最大の理由は、「FIRE & FURY」ではないかと考えられています。
つまり、世界最大の軍事国アメリカが本当に攻撃したら北朝鮮はもちろん簡単にやられてしまうし、隣の韓国も日本も報復攻撃されるかもしれない。特に今トランプ政権の国務長官も側近も好戦的な人が揃ってしまいましたからね。
だからここは徹底的に平和を演出して、アメリカが先制攻撃という方向に持って行けないようにしたのではという考え方です。ピョンチャン・オリンピックからの突然の友好ムードもそれを裏付けています。そしてそれを演出しているのがムン大統領とも言われています。(この人は元人権運動のリーダーだったということで、アメリカでは株が上がっています。)
そしてそのムン大統領も、今日になって「トランプ大統領がノーベル賞をもらうべき」と言い始めているんです。
でも「FIRE & FURY」がノーベル平和賞に値するのか? は置いといて、ノーベル賞あげてもいいかな、という論調もあるんです。
トランプ大統領、土曜日の支持者の集会でノーベルコールが湧き上がった時、これまで見たことがないくらい、とても嬉しそうな顔でした。このまま平和外交路線で行ってくれるなら、それでいいんじゃないかという、大人の考え方です。大人のムン大統領が2人の子供をあやしているなんていう有識者まで出ています。
先に述べたように、交渉はこれからで、核問題・・・「核実験場を廃棄する、外国のオブザーバーもメディアも入れる」・・・というようなキムジョンウンの歩み寄りが、本気の核廃棄かどうかもこれから。
それ以外に アメリカの人質問題、日本の拉致問題、ロシアと中国との関係、さらに世界の同盟国との関係、大変動する世界の力関係をどうコントロールしていくのか?・・・・相当な難問が山積みです。
私個人としては、ノーベル平和賞がトランプ大統領のモチベーションになってくれればいいなと願っています。