062118
アメリカの女性誌、ライフスタイルサイトが取り上げたトランプワールド、今日の話、話す方も聞く方もとてもつらいトピック。
でもELLEもTeen VogueもRefinery 29もあらゆる女性誌、ライフスタイル誌の政治、社会ニュースのトップそして、日本人も知るべきだと思う。これは人間の基本的人権の問題だから。
アメリカ人特に女性たち、歴代のファーストレディも含め、今ものすごく怒っています。
メキシコ国境で不法に入国しようとして拘束された移民の子供達2300人が、親たちと引き離されて拘束されている。その中には生後11ヶ月の赤ちゃんも。それももう2ヶ月も。
親は別の場所で拘束されており会うことも連絡を取ることもできない、お互いどこにいるかもわからない。
なぜこんなことになっているのか?厳しい移民対策を進めるトランプ政権が決めて、この春から始めた方針で、不法移民は全員犯罪者として起訴、裁判にかけてから、強制送還する。その間子供は刑務所に入れられないから、別の場所で保護。
ところがトランプ大統領は、これは自分が決めたことではない、ライバル政党の民主党のせいと言い続けているが、それは明らかに嘘です。政権スタッフでさえトランプ大統領の一言でやめることができるとコメント。
一方火曜日には元倉庫の檻みたいな場所に入れられ、親を求めて泣き叫ぶ子供たちの声がリークされ、もう全米がクレイジーに。そしてついに党派を超えた大圧力のおかげでトランプ大統領、大統領令に昨日サイン。
でも具体的にどういう対策を取るのかはクリアでない上に、これまでに引き離された2300人の子供達を親元に戻す計画はない。
そして多くの子供たちはすでに飛行機に乗せられ、全米に散らばっていることが昨日あたりから明るみに出てきた。メキシコ国境から飛行機で数時間かかるニューヨークにまで連れてこられた。すでに里親に引き取られた赤ちゃんも。こういうことを、子供達の面倒をみるスタッフがクビになる危険を冒して、メディアに写真や音声をリークしている。
ハッキリ言っておくとこんなことはアメリカではこれまでなかった。
アメリカは人間の人権、荘厳をふみにじることは絶対に許されないという価値観で、国を続けてきた。もちろん欠点や失敗も多いが少なくとも共通の目標はここにあると皆が信じている。
だからたとえ不法移民であっても、人間は人間、子供は子供ということで、救済措置を取ってきた。それが移民の国アメリカのアイデンティティでもあった。だから今アメリカ人は、怒りと共にアメリカがアメリカでなくなる! 、という危機感で全米で抗議行動を起こしている。
そして政府を待っていられないということで、個人や企業でも動いている。
あるグループはFACEBOOKのキャンペーンで、逮捕された不法移民の保釈金を払うために(一人15万円)数日間で12億円を集めた。保釈されれば子供と連絡が取れる、その連絡をサポートするグループも 。そして大手航空会社数社も、こうした子供達を運ぶ仕事は受けないと発表。
それにしてもこの移民たち、そこまでのリスクを犯してなぜ不法入国するのか?まずこの春方針が変わったのを知らなかった。
そして、国を捨てて来る理由、彼らの多くはエル・サルバドルとかホンジュラスという殺人率が世界最悪の国で暮らし、子供の将来を守るために何日も何週間もかけて、必死の思いで来ている。もちろん法律も大切だが、人間として何をすべきなのかということですよ。
日本人とっては対岸の火事かもしれないが、人権を軽んじた結果が独裁や大量虐殺、世界的な戦争に繋がった歴史があるから、注意が必要です。
人権って持っている間は誰も意識しない、失って初めて気づくものだからです。