062818
ファッション・ライフスタイル誌が伝えるトランプワールド、今日はVogue, Teen Vogue, Marie Claire, Refinery 29, Pop Sugar, ELLE全誌がカバーしているニュースをお伝えします。トランプ大統領にも関係しています。あらゆる主要メディアも取り上げた全米的なビッグニュースでもあります。
「ニューヨークシティからスター誕生。史上最年少しかもプエルトリコ系の女性が民主党下院議員に当選確実!」
今アメリカは11月の中間選挙(総選挙)に向けて、州ごとに予備選をやっています。先に民主・共和の各候補を選んでおいて、その候補が11月に決戦する仕組みです。
当選したのは、Alexandria Ocasio-Cortes(アレクサンドリア・オカシオーコルテス)さん29歳、これまで20年以上にわたる現職で、Joe Crowley56歳を破って、民主党の下院議員候補になりました。
ニューヨーク市は民主党指示が圧倒的多数なので、11月の当選は確実です。これがなぜこんなにビッグニュースなのか?誰も予想しなかった驚きの結果だからです。
まずAlexandriaさんが破った相手は民主党の重鎮です。(次の議長候補)対するAlexandriaさんは、29歳と若く政治経験ゼロなだけでなく、プエルトリコ系の有色人種で、さらに1年前にはバーのバーテンでした。
でもバーテンしながらやっていたことがあります。2016年の大統領戦では、ヒラリーに敗れたもう一人の民主党候補、バーニー・サンダースのサポーターとして、地域では知られた存在でした。
その地域というのは、ニューヨークのブロンクス区の中の、8割が有色人種、マイノリティが集まっている地域で、どちらかというと貧しい労働者階級が住む地域でもあります。ここで生まれ育ったAlexandriaさんは、お父さんを病気で亡くした後は、家族を養うために苦労しました。だから地域のニーズもよく知っています。
そんな彼女の主な公約、
まず国民皆保険、日本では当たり前の制度が、アメリカにはないため、だから国民の10人に一人、特に所得が低い人が医療保険に入れていません。
次に仕事の保障、アメリカの失業率は4%に下がっていますが、時給が上がらない、だから、たとえ正規雇用でもアルバイトしなければ家族を養えない人が少なくない。そういう人たちのために、政府がちゃんとした仕事を保障する。
社会主義も取り入れたこういう考え方を、アメリカでは、リベラルの中でもプログレッシブと呼びます。(日本語に直すと超革新?)
なぜこういう考え方が出てきているかというと、アメリカは貧富の差が開く一方で、特に若い世代(Alexandriaさん含めミレニアル世代と呼ばれる)がどんどん貧しくなってきている。一方で今トランプ政権は、社会保障制度の予算を減らしたがっている。だからミレニアル世代は将来に対し大きな不安を抱えているんです。
実は今全米で、こういう女性や若い候補がどんどん立候補しています。こういうファッションやライフスタイル誌は、「自分たちのニーズをワシントンの議会に反映させるためには、11月の選挙には必ず投票しよう」という呼びかけもやっている、
それが今のアメリカです。
ではこういう人が当選すればアメリカは大きく変わるかもしれない!?
いやそう簡単には行かないかもしれません。トランプ政権はご存知の通り「超保守・タカ派」ですから、政権誕生以来アメリカをもっと保守的な国に戻すための動きを着々とやってきています。
保守的なアメリカを求める年配、そして白人層、
それに対し、よりリベラルなアメリカを求める若者、そして有色人種層、
この2つがますます2局化し、激突する構図がますます明白になってきています。