スキャンダル慣れ?フェイクメディア?思考停止?トランプ支持はなぜ揺るがない?Why Trump Supporters So Strong?

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先週はトランプ大統領がプーチン大統領とヘルシンキで密室会談し、その直後の記者会見で、自国の司法機関よりもプーチン大統領の方が信じられるというような発言をして大騒ぎになったという話をしました。

これが一時は、ついにトランプの進退問題につながるのではとまで推測されました。

ところがそうはなっていません。なぜでしょうか?

前にも少し話したことがあるかもしれませんがもう一度解説。

まずトランプ大統領が所属する共和党と、ライバルの民主党の話をもう一度します。ものすごく簡単に言うと、共和党は保守派で、小さな政府つまり減税を目指す党、結果的に、ある程度お金がある人は共和党を支持します。税金が安い方が嬉しいから。民主党は逆で、革新で大きな政府、特に累進課税でお金持ちにより多く課税して、社会保障を充実させましょうと言う党。だからお金がない人や有色人種は民主党支持。

で世の中的に言うと、どちらかと言うと民主党を支持する人の方がちょっとだけ多い。でもなぜか今、大統領も共和党、議会も共和党が多数派になっています。共和党が多数派ということは、議会は自然に共和党大統領をサポートします。つまり共和党が議会で多数派である限り、大統領を弾劾することはできません。

ではなぜ有権者の人数が少ないはずの共和党が今議会で多数派になっているのか?

いくつか理由がありますが、まず共和党支持の人の方がお金があるからです。お金で票を買っているかどうかはわかりませんが、例えばアメリカの選挙は必ず火曜日、平日と決まっています。そうすると時給で働いているような人は、お金を削られるから投票に行かないかもしれません。また実際有色人種に対する投票妨害と考えられるような事も起こっています。そもそも共和党支持者は年配、民主党支持のリベラルが若者が多いので、年配の方が投票にちゃんと行くという現実もあります。

でもそれ以上に共和党、特にトランプ支持者のパワーが強いのには理由があります。

それは、ここ20年ほど特に保守(多くは白人年配層)のアメリカ人が苦々しく思っていたことを覆す内容が、トランプ氏の公約にてんこ盛りになっているからです。例えば妊娠中絶法1970年代に合法化されましたが、それ以降もキリスト教エバンジェリカル(福音派)という人たちは、ずっと妊娠中絶に反対して来ました。しかし時代の流れから妊娠中絶禁止を前面に掲げる大統領候補はいなかった、ところがトランプ大統領はこれを禁止にする、中絶した女性は禁固刑にするとまで言ったために、福音派は最後の希望トランプ大統領に忠誠を誓いました。

同じように、移民政策にしても同性婚、健康保険法にしても、保守派が「嫌だなーでも世の中の流れがこうだと言えないなー」と思っていたことをトランプ大統領がことごとくNGにすると言ってくれたので、パワー全開になった、何がなんでもトランプ氏を支持するという流れになっています。
一方でロシア疑惑もプーチンも毎週のように持ち上がるスキャンダルも、もうどうでもよくなった。(スキャンダルにマヒしてしまっているか、全部フェイクニュースだからなのか、思考停止なのか?)ということで、最新の共和党支持者のトランプ支持率は8割から9割に届く勢い。逆に民主党主義者の支持はものすごく低いのですが、平均すると40%台の彼の支持率は揺るぎません。

そこで困っているのは共和党議員たちです。彼らは知性も教養もある人たちですから、トランプ大統領がおかしいと思うところがたくさんある。しかしそれを前面に出してしまうと、トランプ支持者が多い州での選挙に負けてしまうのではないかという恐怖で、すくみあがってしまっているのです。その証拠にトランプ氏を批判しているのは次期は立候補しないという議員がほとんど。

一方の民主党は、若者と有色人種候補の台頭により、11月の中間選挙で議会の多数派を取り戻そうと頑張っています。しかしそれもそう簡単に行くかどうか?という懸念が。その理由はまた次の機会に。

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