NYの911は終わらない:関連病で2000人死亡がん患者1万人にPeople are still dying from the 9/11 attacks 17 years later

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911から17年。既に歴史の1ページと言うべきでしょうが、私たちニューヨーカーにとっては昨日のことのように思えます。今朝8時半すぎから主なテレビチャンネルは全て追悼式の模様を生中継、3000人近い犠牲者全員の名前を遺族らが読み上げる儀式が行われ、今夜は恒例のTribute In Light ツインタワーを模った2本の光の柱が夜空を照らしています。

10代の子供達のほとんどが、あの時まだ生まれていなかったことを考えると、歴史を子供たちに教えることは本当に重要。なぜなら今当たり前のようになっていることの多くが911の後に始まったことだからです。

例えば、なぜイスラム教徒がテロリストとしてバッシングされるのか?
なぜアメリカはアフガニスタンなどでずっと戦争しているのか?
なぜ小学校でテロに対する訓練が行われるのか?
なぜオフィスなどの高層ビルにはIDがないと入れないのか?
なぜ飛行機に乗る時セキュリティーチェックで靴を脱がなければならないのか?
ではそもそもなぜこのテロが起きたのか?

こうした911に関する教育は決して十分ではないと言う批判も多い。そのために多くの大事な部分が風化して、「テロ攻撃された」と言う事実と恐れだけが残るのではないかという危機感もあります。

その恐れが、今アメリカ人の北朝鮮のミサイルへの過剰反応に繋がっているのは明らかですし、トランプ政権の強硬な軍事、外交、そして移民政策の根拠になっていると思います。

そういう意味であの日から全てが始まったと言っていいでしょう。

そしてニューヨークには、やはりまだ911は終わっていないんだなと実感させることがはっきりとある。

みなさんもテレビなどでご覧になっているように、ワールドトレードセンターに行くと、立派な高層ビルが立ち並び、元のツインタワーの土台部分は美しいメモリアルになっています。その真下に当たる地下鉄駅が、先週土曜日17年ぶりに復旧オープンしました。構造上、地上部分の工事が終わるまでは工事が始められなかったからだそうです。

もう一つは、これは本当に痛ましい、そしてとても重要な事ですが、当時救助と復旧に当たった人々2000人以上 が、がんや呼吸器疾患で既に亡くなっています。このまま行くと、テロの犠牲者を上回るとも予想されています。さらに近隣に住んだり働いていた人たちを含め1万人近くががんにかかっています。特にがんは何年も経ってから発病するからで、ニューヨークでは当時近くにいて、最近体調の変化があった場合は申し出るよう今も呼びかけられています。

こういうことを含め、ニューヨークでは911はまだ終わってない、次の世代に伝えて行くことはもちろん、アメリカの今、そして未来を知るためには911を語り続けることはどうしても必要なことなんです。

 

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