10.02.18
ロゼ・マンションに行きましょうよ、と誘われて行って来ました。
ロゼのマンション? ロゼはロゼワインのロゼ、マンションはアメリカでは「豪邸」という意味・・・ロゼワインの豪邸とは?
実はこれ、最近ニューヨークでやたら人気の、ポップアップ(期間限定)・ミュージアムなんです。
そこにあるのはアート作品ではなく、たいていが1ミュージアム=1つの商品カテゴリー、
ほとんどが食関連で、アイスクリーム、キャンディ、卵・・・などがテーマで、食べながら、飲みながら、知識も得ながら楽しめるという体験型のミュージアム。
いったいどんなものなのか、まずはロゼ・マンションをご紹介。
ロゼ・マンションがあるのは、マンハッタンの中心部のビルの中。ガラスのドアを開けると、ピンクを基調にしたロビーで、チケットをチェック。ちなみに夕方4時半までに入るとハッピーアワーで35ドル、それ以降は45ドルで決して安くない。
小さなお部屋ごとに、様々な産地や種類のロゼワインが紹介されていて、最初にもらったプラスチックのワイングラスに、次々と色々なロゼをついでもらってテースティング(全部で8種類)
例えば最初の部屋の壁のパネルには、ロゼワインの歴史が、次の部屋にはロゼワインの作り方が・・・とちょっとした博物館風。
次の部屋はもっと小さなブースに分かれていて、バラの造花とかキラキラのフリンジとか、なんか学園祭みたいな感じ。ところが写真をとってびっくり。なんかすごく綺麗に撮れる、照明もバッチリ。隣では、ミレニアル世代と思しきお姉さんたちが、写真を取りまくっている。お姉さんたりが、ミュージアムに行くにしてはファッション決めてメイクもバッチリの理由がやっとわかった。
ポップアップ・ミュージアムはインスタ映え(だけ?)をものすごく 考えて作られているのだ!
中盤に差し掛かるとそれがますますエスカレート。
この薄暗い部屋には白いテニスボールくらいの透明なプラスチックの球がぎっしり。ほろ酔い気分でワインの泡の中で泳ぎましょう、ということで、靴をも脱いでダイブ!しているところをまた写真にパチリ。
続いでバラの花びら(ロゼだから)がいっぱいのバスタブにつかってパチリ、シャンデリアの形のブランコに乗ってパチリ、巨大な王座に座ってパチリ。
もうこうなるとロゼはもう関係なく、完全に主役はお客のインスタ・ミュージアム。
ふと見上げると壁と天井の間に隙間があって電気のコードが見えていたりスキだらけ。カメラが向かない場所は徹底的にお金をかけていないと見える。
1時間くらいキャーキャー言いながら写真を撮った後、最後はワインバー、飲み足りない人は別料金で飲むことができる。
それにしても、展示されていたウンチクもほとんど覚えていない(笑)が、楽しかったという印象は残る。「体験した!」ということで、インスタをフル活用しているミレニアル世代にとって、ロゼマンションに限らず「ポップアップ・ミュージアム」というもの自体が、一度は行ってみたいスポットになっているよう。
リテイルの新しいトレンドとして注目のポップアップミュージアム。間も無くピザ・ミュージアムもオープンするらしい。
ポップアップは食アイテムだけでなく、コスメブランドのGlossierや、ウェブメディアのRefinery 29がポップアップ・リテイルを次々に展開。ミレニアル世代の間で大ヒットしている。
実はポップアップ・ミュージアム、ポップアップストアほど今のトレンドにあっているものはない。
- 新しいインスタグラムネタ
- 期間限定の付加価値
- Immersive 体験型 ネット・ショッピング時代に、実際に触ったり中にどっぷりつかっての体験が求められている。
- Edutainment エジュケーション、知識欲も満足させてくれるエンタメの新しい形
- オンラインブランドの路面店展開に向けてのテストマーケティング
- 空きスペースの有効活用、ニューヨークはじめ大都市では地価の高騰で、空きスペースが増えている。それを短期に有効活用。
- ミュージアムの場合、何も買わなくても入場料が35〜40ドル取れる。
と言うわけでこのトレンドまだまだ続きそう。
Rose Mansion
July 12 – Oct 21
445 5th Ave, New York, NY
https://www.rosewinemansion.com