110718
歴史的な選挙が終わりました。
大統領選ではない、中間選挙としては、史上最高の投票率になりそう。(投票所は3時間待ちのところも。)
それだけヒートアップしたのは、その焦点がトランプ派の保守共和党かアンチトランプのリベラル民主党かという図式だったから。
結果は、下院は民主党が奪回、それに対し、上院はこれまで通り共和党
ではトランプ大統領は勝ったのか負けたのか?という見方をすると、
下院では共和党は30議席近くを失い大幅に負けた(まだ結果が出ていないものも)
これだけ経済がいいのに負けたのは、これはもうトランプ大統領のやり方にハッキリNGの答えが出た。
一方上院では勝った。なぜ勝てたのか?
下院が全議席435議席改選だったのに対し、上院で改選されたのは100議席のうち、35議席だけだったが、(任期満了分)その多くが、トランプ支持者が強い州だったため。共和党が逆に議席を増やした。特に都市や郊外ではない、地方のエリアのトランプ支持は揺るぎないことがわかった。
その結果、これまで上院、下院とも共和党でトランプ大統領も共和党、最高裁も右寄りと、
全てが保守共和党に寄っていたのが、ねじれ状態になりある程度バランスが取れるようになった。つまりトランプ大統領はこれまでのように全てをやりたいように通すことはできなくなる。
ここで、これからのアメリカがどうなるのか、ハッキリしたことが2つ
国の分断が一層鮮明になった。
アメリカの都市部や郊外の住民、女性、有色人種、若者はアンチトランプ。それ以外の地方の白人層はトランプ支持という分断の図式が、改めてハッキリした。
また同時にアメリカの多様化が鮮明になった。
女性が大躍進、下院435人のうち100人以上が当選し歴史的な数。
その中でも注目は、
ミレニアル世代の女性で史上最年少29歳が2人
初めてのネイティブ・アメリカンの女性2人(そのうち1人はLGBT)
初めてのイスラム教徒女性2人
一方で初の黒人女性州知事が誕生かも? こちらは接戦でまだ結果出ず。
さらに男性も、初のLGBT下院議員、初のLGBT州知事が誕生。
トランプ大統領に対してこれだけ揺れ戻した、ということにもなる。
さて、ではこれからどうなる?ということですが・・・
下院を民主党が奪回してトランプはこれまでのようにやりたい放題はできなくなる。しかし大統領の弾劾に持って行けるかというと、上院は共和党なのでそう簡単にはいかない。
一方下院や他の地方選挙では、急速に変貌しますます多様なアメリカが反映された一方で、それを止めようとするトランプ支持の保守アメリカとの戦いがますます強くなって続いて行く。
トランプ大統領はこの分断を利用して権力に君臨しているが、逆にこれをまとめるリーダーが次の2020年の大統領選で現れるのか?そこにアメリカの運命がかかっています。