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時刻はニューヨークはクリスマスデーの昼、街はちょうど日本のお正月のように静か。キリスト教国のアメリカは、クリスマスは国民の祝日だから。
ニューヨーカー、そしてアメリカ人は今どんな風にクリスマスを過ごしているのか?
実は私がニューヨークに移民した27年前に「思ってたのと違う!」と驚いた事いくつもあった、今日はお伝えしましょう。
まず、日本ではクリスマスの主役はクリスマスイブ、でもアメリカは違う。
日本ではクリスマスイブの夜にデートしたり、ファミリーでディナーしたりする。クリスマスの朝になるともう普通の1日だったりする。もちろんアメリカ人にとっても、クリスマスイブはサンタが来るからもちろん重要。でももっと大事なのは、サンタが来た後のクリスマスの朝。目覚めると、クリスマスツリーの周りや吊るした靴下の中にプレゼントがいっぱい。これを家族みんなで、ココアとかエッグノッグを飲みながら明ける、これが重要。そしてこれから夕方にかけて、クリスマスディナーを準備して、ゆっくりと食べる。これは日本人が家族でおせちを囲む感覚とよく似ている。デートではないが、もし彼氏のファミリーのクリスマスディナーに招待されたら、これはかなりシリアスな関係でプロポーズも近い?
面白いのはさすがネット時代「日本ではクリスマスイブにデートの相手がいないと寂しいらしい!」という情報がアメリカ人の若者にも知られ始めている。
日本文化を紹介するサイトには、若い独身女性の4割は、その日限りでいいからデートの相手が欲しいと思っている、なんていう数字がのったり。
また日本の人気アニメAgguretuko (アグレッシブ烈子)では、Netflixで配信されたばかりのクリスマススペシャルで、インスタにはまったRetsukoが恋人とクリスマスイブデートしているふうの写真をでっち上げてポストするという、今年ならではのストーリーにジャパンならではのエピソードが乗っかってかなりの高評価。
ではなぜ日本人はクリスマスイブにデートするようになったのか? クリスマスのイルミネーションが輝く夜は1年で一番ロマンチックな夜、デートしない手はない?という傾向はおそらくバブル時代に始まり、多分雑誌などのメディアが広めたのでは? 1980年にヒットしたユーミンの曲「恋人がサンタクロース」の影響も大きいかも。そもそもキリスト教国でなく家族で過ごす習慣もなかった日本ではデートが定着しやすかったのでは?
さて、次はクリスマスに食べるもののお話。
日本人はクリスマスイブの夜にチキンとクリスマスケーキを食べるけど・・・
アメリカでは食べません。
アメリカ人のクリスマスディナーの主役は、ハム。まるごとのハムをオーブンでベークして、テーブルで切り分けて食べる。日本のように鶏モモのローストチキンやフライドチキンは食べない。
ではこの日本の伝統はどこからやってきたのか?これについて日本通のアメリカ人はこうコメントする。「1970年代に日本にやってきたケンタッキー・フライドチキンが、フライドチキンを広めるために行なったマーケティングのおかげ。」知ってました?
そして最後にスポンジに生クリーム、イチゴというクリスマスケーキもアメリカ人は食べない。
アメリカのクリスマスのデザートの主役は「パイ」、アップルパイ、パンプキンパイ、スイートポテトパイなど、秋から冬にかけての季節の食材を使ったパイが主流。
そして再び日本通のアメリカ人に聞くと、
あのケーキは、やはり第二次世界大戦後の高度成長期に、あの不二家が、アメリカナイズされたクリスマスでスケールアップしよう!ということで広めたものだそう。
元々はアメリカに憧れた日本人が始めたクリスマスが、日本独自の伝統となり、それをアメリカの若者がアニメで見たりしているというのは面白い時代!
ではみなさん、Merry Christmas & Happy New Year!