021819
今日はPresidents Dayです。初代大統領ジョージ・ワシントンの誕生日(2/22)を記念する祝日。
一方で第45代大統領は、今9回裏のクリーンヒットを狙っています。その役者(脇役?)の1人が、みなさんよくご存知のように安倍首相。
このところトランプ大統領かなり追い込まれていました。
ロシア疑惑の捜査の手はかなり迫っているし、メキシコの壁の予算を通そうとして、アメリカ史上最長の政府閉鎖をやってしまい、 さらに次の予算が通らないとまた政府閉鎖という期限が先週末。
そこで先週金曜日、メキシコの壁予算を確保するために、非常事態宣言を出しました。
非常事態宣言というのは、大災害が起きた時などに、議会を通さなくても 緊急予算をかき集めて事に当たれるという、文字通り非常事態への対応策です。
しかし世論調査では国民の3分の2はこの非常事態宣言に反対、メキシコ国境では非常事態なんて起こっていないと考えています。
でもいいんです。トランプ大統領はこの非常事態宣言は、自分を支持する残り3分の1の国民に向けてやっているんですから。
その証拠に、自身が非常事態宣言発令スピーチでハッキリ言いました。
「非常事態宣言は出す必要はなかった。でもダラダラやるより早くしたかった」
これに対しトランプ大統領はこれから多くの訴訟と議会の反対に晒されるわけですが、どうやらそれでもいいようなんです。
というのは、これから9回裏のクリーンヒットが待っているから。その予告編も同じスピーチに入っていました。
実はこの非常事態宣言のスピーチは、相当異様なものでした。
普通だったら開口一番で国境の非常事態を告げるはずですが、そうではなかった。代わりに開口一番話し始めたのが中国との貿易摩擦と北朝鮮とのサミットです。
特に北朝鮮に関して、歴代大統領が誰もできなかった偉業を自分がやっている。以前のように北朝鮮からアメリカに長距離ミサイルが飛んでくる危機は去った。そして日本人も自分にとても感謝していて、安倍総理からは「自分をノーベル平和賞に推薦した」という手紙までもらった、などと発言。
( トランプ政権からの依頼で推薦したらしいという報道が日本でされていますが、これに対し安倍首相は推薦したともしていないとも言ってない、ということは多分頼まれたから推薦したんでしょう。それを自分は言えないからメディアにリークしたのではないかと)
実際2月27、28日に行われる2回目のサミットでは、初回とは違い、朝鮮半島の非核化に関し具体的な方向性が出されなければ納得されない。そこでポンペオ国務長官に任命されて実際の交渉に当たっているビーガン特別代表の評価がなかなか高く、具体的な成果とまでいかなくてもそこに向かうための一歩が示されるのではないか。少なくともトランプ大統領1人のスタンドプレイではなく、ちゃんと交渉している!2017年には核戦争直前とまで騒がれた状況の後では、アメリカ人にとってはそれで十分かもしれない。そうなれば、国内問題のゴタゴタをリセットするクリーンヒットになるかも。
しかし一方でアメリカメディアは「日本にとってのリスクは、アメリカが中途半端な交渉をして、アメリカに届く長距離ミサイルは禁止しても、短・中距離の核ミサイルに関しては骨抜きになる可能性もある」と指摘しています。
そうなると、ノーベル賞をあげてでもいいからちゃんと交渉して欲しいという日本の切実さもアメリカ人に伝わったかもしれません。少なくともニューヨークタイムスではそう伝えています。
ともあれ、今回のサミットが日本を含む東アジアだけでなく、アメリカ、中国、ロシアの超大国の力関係を大きく変貌させる一歩になることは間違いなく、日本も否応なくこの激動に巻き込まれざるを得ない時代になってしまいました。
この続きはまたレポートしたいと思います。