031919
先週金曜日、世界数十カ国の1000箇所以上でストライキが同時に行われました。
主催、参加したのは世界中の高校生です。
Fridays For Futureと名付けられたこの抗議行動に参加した彼らは、地球環境の変化に対して有効な対策を行わない政府や企業に抗議するために、学校に行かずにストライキを行ったのです。
ニューヨークでも市役所前や国連本部前に高校生が集まり、何らかの形でストライキに参加した高校生は、ニューヨーク市や近郊だけで数千人に上ったと見られます。
先週水曜日の番組でもお話ししましたが、地球環境をめぐる状況はかなり深刻で、国連が出した最新の報告では、向こう12年間に有効な手を打たなければ、地球環境は劇的に変化するとしています。
しかしご存知のようにトランプ大統領はそれを認めていないので、パリ条約から脱退。環境規制を次々に緩めています。そしてパリ条約が定めた目標値も、既に達成できない状況になっているとされています。それに対して最も恐怖と怒りを感じているのは子供達なのは言うまでもありません。
しかしそう感じでいても、一人では何もできないという気持ちは、どうやら今の若い世代は持ち合わせてはいないようです。
なぜなら実はこの抗議行動は実はスウェーデンにいるある16歳の女子高校生の、たった一人のストライキから始まったからです。
スウェーデンの高校生グレタ・トゥンバーグさんは、なかなか動かない政府や企業にメッセージを伝えるために、毎週金曜日に学校に行くのをやめ、議会前でたった一人のストライキを始めました。
そのメッセージはすぐに世界中の高校生に広がり、世界各地で同じように金曜日にストライキする高校生が増えてきました。そして今回、世界同時の抗議行動に繋がったというわけです。
世界的に知られるようになったグレタさんは、こうした行動を評価されて、ノーベル平和賞にもノミネートされています。
グレタさんは今年1月のダボス会議にも招かれてスピーチしましたが、その内容は驚くほどシャープで的を得ています。
「ダボス会議のような場所では皆、経済的な成功を語り合うけれど、その成功には想像を絶する対価が伴っています。そして地球の気候変動に関して、私たちは破綻したと認めなければいけません。政治も同じです。メディアもこの状況を広く知らしめることができていません。
でもホモ・サピエンスはまだ破綻していません。私たちはこの社会のほとんど全てを変えなければなりません。二酸化炭素の排出量が大きければ大きいほど、私たちの道徳上の義務も大きいのです。
大人はいいます。私たちは若い世代に希望を与えなければと。でも私たちはあなたたち大人の希望なんていりません。希望なんて持たないで欲しいのです。あなたたちにパニックして欲しい。私たちが毎日感じている恐怖を感じてほしい、そして行動して欲しいのです。あなたが危機に瀕しているかのように。自分の家が燃えているかのように。なぜなら、あなたの家は本当に燃えているからです。」
グレタさんはじめ今の高校生は自分たちが世界に発信できるパワーを知っています。
ストライキだけでなく、トランプ政権を相手に訴訟を起こした高校生もいれば、地方議会に働きかけ、条例を変えることに成功した高校生グループもいます。
そして彼らはもう間も無く投票できる18歳に達する。その時から世界が変わり始めることは間違いないでしょう。
ところで日本の若者は少子化しているからパワーがないなんて言われることがあるようですね。だったらもっと世界中のこうした若者と繋がってみてはどうでしょうか?そのために英語をもっと勉強するというモチベーションにもなるかもしれませんね。