031619
毎年3月、アメリカはWomen’s History Monthです。
そして先週新たに2社の女性リーダーのユニコーンが誕生して、新たな歴史を刻みました。
ユニコーンというのはスタートアップで評価額が10億ドル(およそ1100億円)以上になった会社のこと。最大手ではUber、Airbnb、Ant Financial(Alipay)などが有名で、2018年現在世界におよそ240社、アメリカにはおよそ130社ある中で、女性の創立者は世界に23社、アメリカには14社とまだ少ない。
今回ユニコーンになった2社は、ファッション・レンタルのRent The Runway(レント・ザ・ランウェイ)と、コスメのGlossier(グロッシエー)。
Rent The Runwayは2009年ローンチ、UberやAirbnbなどシェアリング・エコノミーの時代のファッションビジネスで、パーティやウェディングなどで着るドレスや靴、バッグなどアクセサリーをレンタルできるサービス。
おしゃれはしたいけれど服にお金をかけたくない、モノをたくさん持ちたくない、また安い服を使い捨てするのも環境に悪いと考える女性たちに支持されている。毎月約1万8千円で好きなだけレンタルできる購読サービスも人気。基本オンラインだが、ニューヨーク・ロサンゼルスなど5都市で路面店も展開。
CEOのジェニファー・ハイマンは38歳のミレニアル世代で、間もなく出産予定とおめでたいことがダブルに。
Glossierは元ヴォーグのファッションアシスタントだった 、エミリー・ワイス(34歳のやはりミレニアル世代)が立ち上げた。元々はビューティ・ブログから発展したブランド。
ヴォーグでのコネを生かしたキム・カダーシアンなどへの直撃インタビューが人気を得て読者を増やし、インスタのフォロワーも激増したところで、2010年、インスタを通してでしか買えないコスメをローンチし口コミで大ヒット。2015年から2016年にかけての売り上げが6倍になるという、Glossier現象を巻き起こし、去年の売り上げは100億円を超えて、「ビューティのナイキ」の異名をとったほど。
去年実験的にオープンしたニューヨーク、ソーホーのポップアップはあまりの人気でそのままフラッグシップに。ブランドイメージはあくまでシンプルなすっぴんメークに絞り込んでいて、今年に入ってどんな肌の色にも対応できるようファウンデーションを40色以上に強化。そこに込められた「自分らしく素顔で生きよう」というメッセージもものすごく支持されている。
Glossierのフラッグシップは全米、そして世界中からやって来たミレニアル世代とその下のZ世代で超満員。
人と違うアイデアがある人が夢を形にできるのがネット時代、色々と厳しい時代ではありますが、こういうアメリカンドリームもまだあるというのがちょっと嬉しい気がします。