040319
トランプ政権は3年目の今支持率は4割あたりで低め安定。でも不支持はマジョリティの5割を超え、ロシア疑惑の捜査が終わってロシアとの共謀はなかったと発表されても変わらない。
不支持の理由を挙げたらそれこそキリがなく。モラル低下、人種偏見、女性蔑視、環境問題、健康保険問題、富裕層や大企業への優遇・・・・もうアメリカはどうなってしまうのか? というのが最初の2年だった。
でもアメリカというのは面白い国で、911やリーマンショックのようなひどい状況の後にオバマ大統領が現れたように、逆境をバネにしてヒーローが生まれてくる。
そして、ついに今回も出てきつつある。それが今ワシントンに新風を吹き込んでいる若い世代の政治家たち。来年の大統領選にも、これまでには考えられなかった若い世代が何人も立候補している。
今日紹介したいのは、ミレニアル世代、29歳議会最年少の女性下院議員。(ミレニアル世代わかりますか?今22〜38歳くらい、アメリカ史上最大の世代グループで、次の選挙で彼らの票の行方が大注目されている)
アレクサンドリア・オカシオ・コルテス。名前が長いのでAOCのニックネームがあっという間に浸透。しかもセレブ並みの人気に。
例えばトレードマークの真っ赤な口紅が大きな話題になりソールドアウト。(ブランドはStila)またトランプ大統領の支持者の集会ではもう「AOC Sucks(最悪!)」コールが起こるほど意識されている。
ただ残念ながら彼女まだ29歳で大統領には立候補できない。でも彼女の動きや発言が「この人がアメリカを変えてくれるかも」という期待を多くのアメリカ人に持たせている。
ニューヨーク、ブロンクス生まれのプエルトリコ系アメリカ人(JLOと同じ!)数年前までは地元でバーテンをしていたが、2016年大統領選の民主党の予備選でヒラリーと戦ったバーニー・サンダースのボランティアをしたのをきっかけで、去年下院議員に立候補。誰も期待していない中で現職の有名議員を下し、史上最年少の下院議員に当選。
就任早々グリーン・ニューディールという、アメリカではこれまでありえなかった強力な環境対策案と、貧困層の救済と、富裕層への増税などを組み合わせた、アメリカの今の政治も経済を根本的に見直す政策提案をして大注目。
またニューヨークからアマゾン本社を追い返した動きにも大きく関与。
もちろんかなり大胆な提案だから敵も多いけれど、すごいなと思ったのはこの発言。
先週ケーブルニュースの公開討論会で、彼女は共和党(トランプ大統領が所属するいわば敵対政党)の議員を招待した。すると会場からは彼に対してブーイングが、そこで彼女は話をすぐ中断し「それをやってはダメ!私たちはトランプとは違うのだから」とキッパリ。
トランプ大統領はとにかく敵の悪口を言って攻撃して粉砕するスタイルで、おかげでアメリカはに真っ二つに分断されてしまった。そんなアメリカを、再び一つにしようという意思がはっきりと感じられたし、このタイミングでトランプを否定するところもすごい。(最初からトランプ批判するのではなく、こういうポイントを待ってピシっと押さえる)
トランプ支持者に「最悪!」と言われたことに対しても、バッサリ一言。
「ヒラリーがいなくなった後、トランプには悪口の対象になる女性が必要なの」
いやーお見事。
今や下院のワンダーウーマンと呼ぶ人も・・・実際彼女の生い立ちを描いたスーパーヒーローコミックも5月に出ることが決まっています。