040919
メトロポリタンミュージアムといえば、パリのルーブルと並ぶ世界的な、そして巨大な美術館。
エジプトのミイラから現代美術まで世界のアートの粋を集めたミュージアムでさえ、これまでやった事がなかった、とてもユニークな展示が昨日からスタート。
「Play It Loud」と題されたエキシビション、展示されているのは、ロックの楽器:歴代のロックスターたちが実際に弾いたギターと、ピアノやシンセサイザー、ドラムセットなど130台も。ロックの歴史60年を楽器で伝える展示です。
アートミュージアムとして、これだけの規模の展示は初めてだそう。
まず入り口正面、エレクトリックギターで初めてロックンロールを演奏したチャック・ベリーのギターがお出迎え
ジミー・ペイジ、エリック・クラプトン、プリンス、ジミ・ヘンドリックス、キース・リチャーズ、ニール・ヤング、エディ・ヴァン・ヘイレンなどギター・ゴッドたちが弾いたロックファンが気絶しそうなギターばかり。









新しいものではレディー・ガガのピアノなんていうものが後から後から・・・

これだけのものが1箇所にあるなんてちょっとあり得ない。
これが実現したのは、メトロポリタンがRock & Roll Hall of Fameとコラボしたから。
Rock & Roll Hall of Fameは、日本では「ロックの殿堂」として知られ、毎年音楽の歴史に貢献したレジェンドアーティストを殿堂入りさせることで有名。実はオハイオ州クリーブランドに巨大なロックミュージアムを持っている。
今回はそのRock & Roll Hall of Fameのキュレーターが、世界のレジェンドたちと一人一人直接交渉して、期間限定で借りてきた、これまで門外不出だった楽器も。
というのも彼らは滅多なことでは大切な楽器を貸し出さない。特にビンテージギターは温度や湿気に弱いし、それを知らない人に貸すなんて絶対嫌!!という人が多いから、これだけの楽器がここに揃ったというのはもう奇跡。
そして今日のオープニングの前に、プレス用のお披露目会と記者会見が4月1日あり、招待されて行って来たのですが、これがまた奇跡のような会見。
なんとサプライズゲストにギターゴッド登場!
レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジが登壇して会場は騒然。
そのスピーチの中で彼は
「小学生の頃、学校にギターを持っていくと必ず取り上げられ、放課後に返してもらうというのを繰り返していた。ギターというのはそのくらいレスペクトされてないものだった。その頃の先生はもう生きてないと思うけれど、今ここに来て反省してもらいたいね(笑)」*
かつてはロックなんて不良(昭和な表現?)がやるものだった時代から、今はアートピースとして世界のメットに飾られるまでに。自分でも自分がここにいるのが信じられないと言っていたのが印象的でした。
実はこの後もう一つのサプライズが。
イーグルスといえば70年代のウェストコーストロックを代表するバンド。そのギタリストのDon Felderがギターを持って登壇し、いきなり「ホテルカリフォルニア」のギターソロを演奏、とても美術館の記者会見とは思えないラウドなイベントに。
「Play It Loud」は10月1日までニューヨーク、メトロポリタン美術館で。
そのあとはクリーブランドのRock & Roll Hall of Fameに移動して半年くらい展示されます。
この規模の展示が日本に行くとはちょっと考えられないので、見たい方は今から計画立てて来たほうがいいですよ!
Special Thanks to Ellie Kurobe
*このスピーチ、ラジオでは音声をオンエアしました。9日(火)オンエアなので日本の方はまだラジコで聞けるはず。
JFN On The Planet(全国36局ネット)シェリーめぐみfrom NY(月〜木)