061219 #kutoo
日本で話題になっているという、靴と苦痛を組み合わせ#metooをもじった#kutoo運動が今、アメリカメディアの関心を集めています。
ニューヨークタイムスでは先週この運動を紹介、
職場のルールで女性がハイヒールを履かなければならないのは女性に対する性差別であり、政府に対しこうしたルールを禁止するように働きかける署名運動に、2万人近くが署名したと報道。
そして昨日Teen Vogueという10代のZ世代が読むファッション誌では、署名は3万人近くになったとレポート
アメリカでも関心が集まる理由は、日本が男女平等ランクで世界149カ国中110位という意外な事実と、アメリカでも、先週お伝えしたように、妊娠中絶を禁止しようという動きが強まり、女性の権利が脅かされているという現実があるから。
ここで考えて欲しいのは、これは ハイヒール廃止運動でも男対女の問題でもないこと。
ハイヒールを履きたくないのに履かなければならない、そんな女性の権利が制限されているということは、同時に男性の権利も制限されている社会ということだからです。そうなると、男も大変なんだから女も我慢というふうになってしまう。そうではなく、女も男も一緒にもっと楽にのびのびしようよ、というのが、#kutooじゃないかと思います。
女対男ではなく「人間として皆が同じ権利」で世の中を良くするという考え方。
ちなみにTeen Vogueでは、東京でハイヒールをはいた男性による抗議運動も起こり、男性が初めてハイヒールの痛さに驚いてすぐ脱いだ、などと紹介していました。
まさに女性の身になってみればわかる。痛い、辛い、なぜ自分たち女ばかりと思いながら働いている女性が多い職場と、そうでない職場、どちらが女も男も気分良く働けて、仕事の効率も良くなるか?
つまりハイヒールは女も男も縛っている社会の象徴。
ちなみに絵文字・・・去年まで女性の靴の絵文字はハイヒールだけだったのが、初めてフラットシューズのemojiがお目見え、アメリカでも大きな話題になりました。その背景には、ハイヒールだけが女性の象徴という考え方はやめようという動きが。
そもそも若い世代、ミレニアル世代はは女も男も楽ちんが一番という考え方で、ジーンズとスニーカーで働ける職場も増えているし、そうじゃないと優秀な人材も来てくれないわけです。そのおかげでスーツであってもそれに合うスニーカー(男女共)がものすごく売れていたり、リサイクル素材で作られた女性用のフラットシューズブランドが大ブレイク中。
これが10代になると、ノンバイナリーという男でも女でもない第3の性が出て来ているから、男はこうあるべき、女は・・・という感覚自体がもうなくなって来ています。
もちろんハイヒール履きたい人は履いていいんですよ。自由なんだから。でもそれを押し付けるべきではないと思います。女はこうあるべき、男は・・・という考え方も持っていていいです。それを他人に押し付けなければ。
何より今回の事で、男も女も同じ権利を持つってどういうことか、それで気持ちいい社会にするにはどうすればいいかを、皆が考えるようになればいいですね。
そしてもう一つ言うなら、ここで国に必要な役割は、法律で縛るのではなく、こうした声にしっかりと答えられるリーダーシップだと思います。