071019
4年に1度の女子のW杯、日曜日に行われた決勝戦で、アメリカチームが4度目しかも2回連続優勝というありえない快挙を成し遂げました。
昨日フランスから凱旋帰国した彼女たち、今日の午前中ニューヨークで優勝パレードが盛大に行われました。
そして今回の勝利、ただチームやアメリカの国としての勝利ではない、アメリカの、いや世界の女子スポーツの未来に影響を与えるゲームチェンジャーになるものだった。
彼らが優勝した瞬間、超満員のスタジアムに詰めかけたアメリカのファンたちの間で、あるチャントが巻き起こった。「Equal Pay! Equal Pay! 平等な給与を!」
実は女子サッカーチームはこれまで、同じ代表チームで男と女の給与の差があることに問題アリと言い続けてきた。さらに、28人の代表メンバーが今年3月米国サッカー連盟を相手に訴訟を起こした。
それによれば、協会には明らかに性差別が存在し、給与だけでなくトレーニングや医療、移動の方法にまで影響しているという。
みなさんご存知のように、アメリカのサッカーは女子の方がずっと強い。男子は優勝ゼロ、去年のW杯は予選落ちで出場もできなかった。
実際給与にどのくらい差があるのかは不明だが、例えばW杯サッカーの賞金総額、男子はおよそ400億円、女子は30億円。優勝すると男子は1人1億円もらえるが、女子は2600万。
しかし今回の決勝戦の視聴率も去年の男子の決勝を上回っただけでなく、サッカー自体の視聴率としても史上最高だったと見られる。
国内のゲームのチケットやグッズの売り上げも近年は男子を超えている。
そこでFIFAは次回の女子の賞金総額を2倍に増やし、出場チームも増やすと発表。
給与に関しても米国サッカー連盟が努力すると宣言。
そして、キャプテンとしてこの動きをずっと引っ張ってきたスーパースターが、メガン・ラピノー、34歳という史上最年長で決勝戦ゴールを決めた選手でもあり、今回MVPと得点王も獲得。LGBTQ+でもある彼女は、自分の意思を曲げない信念の人。
今回のW杯は最初からこの問題で注目され、そのためにも負けられない戦いだった。
さらに、メディアからは、優勝してホワイトハウスに招待されたら行くかと質問されて、 行かないときっぱり答え、それをトランプ大統領から 非難されるなど、こういうプレッシャーまで抱えて戦った。
ちなみに勝ってからはトランプ氏もツイッターでおめでとうメッセージをよせている。
「この勝利はサッカー以上のもので、アスリートとしての私たちの抗議の形だった 」と語るキャプテン・ラピノーは提訴の直後はこうコメントしていた。
「サッカープレイヤーも含め世界の女性アスリート、さらに全ての女性にも、彼女たちのために立ち上がる者がいることを感じて欲しい。」