トランプ氏4人の女性議員への「自分の国に帰れ」ツイートは2期目当選への「戦略」Racism Is A Strategy For His Second Term

071719

トランプ氏が4人の女性下院議員に対し行ったツイートが大炎上どころではない、アメリカを揺るがす大問題になっています。

トランプ氏の発言はこれまでも多くが問題として取り上げられていますが、今回のはその中でも最大級。そして、アメリカの最も深い病根を抉り出すもの。

誰に何を言ったかというと、民主党の最もプログレッシブつまり左より、トランプ氏を批判する4人の若い女性下院議員たち。
去年11月に初当選した史上最年少の下院議員AOCことアレクサンドリア・オカシオ・コルテスなど4人に対し「自分の国に帰れ」と言ったのです。(正確には、めちゃめちゃになった自分の国を何とかしてから出直して来いという内容)

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国に帰れと言われても、AOCはニューヨーク生まれだし全員アメリカ人です。どこに帰るんでしょう? で笑って済まされない理由は、彼らが白人ではない、ピープル・オブ・カラー だったこと。3人はアメリカ生まれ、ソマリアからの難民イハン・オマーだけが帰化したアメリカ人。

白人であるトランプ氏が白人ではない、場合によっては移民や移民の子供である彼らに 「自分の国に帰れ」とツイートしたのに対し、主要メディアは「レイシスト(人種差別主義者)発言」と報道し騒然としました。

民主党が多数派の下院議会はこの発言を人種差別として糾弾する決議も行いました。大統領を糾弾する決議というのは、アメリカ議会で100年以上ぶりの事だそうです。

なぜこれがここまで問題になるのか日本に住んでいる日本人にはピンとこないかもしれません。日本に生まれ育って、同じ日本人から「自分の国に帰れ」と言われる事はまずないと思いますから。

でもアメリカでは実はこの発言に関してはとてつもなく長く辛い歴史があります。

例えば昨日のNYタイムスには、1970年代に黒人が白人と同じ学校に行くようになったばかりの頃、入学式の日に「アフリカに帰れ」と言われたという黒人女性の証言が載っていました。もちろん彼女は何代も続くアメリカ人で、生まれたのも育ったのもアメリカ。残念ながらこれは全く珍しくない出来事で、こうした言い方は移民に対してもずっと使われてきました。
この発言の直後、ツイッターが同じような体験談でいっぱいになったほど。

自分が生まれ育った国から「帰れ」つまり「出て行け」と言われる痛みは、言われた者にしかわからないかもしれません。

こうした歴史の文脈からも「国に帰れ」はどう考えても人種差別主義の発言と解釈せざるを得ない。そして、一般人の発言ならともかく、大統領が堂々と言うのは全く違うレベルの問題。

トランプ大統領自身は「人種差別ではない」と主張、またトランプ氏が属する共和党の議員のほとんどは口を噤むか、トランプ氏を擁護。一方で白人至上主義者らは、この発言を歓迎するコメント。

ついこの間までは、人種差別的な発言を誰か有力者がしようものなら、党派に関係なく糾弾していた事を考えると、その豹変に驚くしかない・・・

果たしてこれがどう言う結果をもたらすのか?NYタイムスなどのリベラルよりメディアは、これは来年の大統領選に向けて、人種の分断により当選を果たそうという、2016年と同じトランプ氏の作戦としている。

そうなると2016年以上にもっと醜いアメリカの真の姿が現れてくるかもしれない。

覚えていて欲しいのは、この作戦はニューヨークやカリフォルニアなどの、人種のるつぼでリベラルな州では通用しない事。

しかし、2016年トランプ当選の理由になった激戦州では、移民やピープルオブカラーに反感を持つ白人が少なくない。彼らが大挙してトランプに投票すれば、今回も僅差で勝てる可能性は十分あると考えられている。

逆に、2016年はまだ僅かにオブラートに包まれていた人種カードを、今度はむき出しで戦うトランプ氏に対し、逆に反感を持つ層が、トランプ支持から離れるという声もある。

いずれにせよ今のところトランプ氏は人種カードを前面に押し出して、支持者に対してメッセージを送りつつ、民主党に揺さぶりをかけているのは間違いない。

その揺さぶりの「道具」とされているのが前出の4人の若い女性議員たち。詳しくはまた次回書きたいと思います。

(updated 8:30pm)

この原稿をポストした後にノースカロライナで行われたトランプ大統領の支持者集会で、
早速「Send Her Back 彼女を送り返せ」というチャントが沸き起こったそうです。

2016年ヒラリーに対する「Lock Her Up 彼女を収監しろ」に変わる新たなチャント・・・計算どうりということでしょうか。

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